芸能

広末涼子のアップがやたらに続くNHK「聖女」はまるでPVの声

 ドラマの視聴者層はどこまで”狙える”ものなのか。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が考察した。

 * * *
 木曜の夜は、21時の「同級生~人は、三度、恋をする」(TBS系)、22時の「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジ系)と、2本続けて「不倫」をテーマにしたドラマが放映されました。

 中でも「昼顔」は全11話の平均視聴率が13.9%と予想以上の好評を博し、今季民放ドラマで2位に。特に、最終回の描き方には肯定派・否定派がまっ二つに分かれて、議論に発展。それほど注目されたドラマだった、ということでしょう。

「不倫する女」。これまでは、どちらかというと家庭の破壊者として主婦たちに反発されてきた。しかし、今回は違ったのです。関心・視聴率の高さ。その人気は女たち・主婦たちに支えられていた。女性セブンの取材によると、8割以上の人が「夫がいないときにひとりでドキドキ感を味わいながら見ています」。「不倫」ドラマが、新しい局面に入ったのかもしれません。

「昼顔」の登場人物は、パート主婦の笹本紗和(上戸彩)。恋をする相手は高校教師の北野裕一郎(斉藤工)。そして紗和の夫・俊介(鈴木浩介)は、スキンケアに熱心な究極のナルシスト。子どももいないのに妻を「ママ」と呼ぶなど諸処問題あり。「子どもはまだなの」と小うるさく干渉してくる姑……。

 だからこそ、「紗和が不倫に走ってしまうのにはそれなりの理由がある」--女性視聴者たちはそう納得したのでしょう。

「不倫は悪いことだけど、人を好きになる気持ちは誰にも止められない」「実際に不倫しなくても、女ならドキドキしたい気持ちがある」といったあたりが、女性視聴者たちの共通の思いだったのでは。

 対して、あまり興味を示さなかった男性たち。このドラマのどこが面白いのか今ひとつわからない、という意見も聞かれました。中には、「夫たちを悪者に描きすぎ」とご立腹の方も。 つまり、このドラマが勝利した秘訣とは、徹底して「女の共感」にフォーカスしそこに力を絞った点にあるのでしょう。

 一方、「昼顔」とは対照的に、男性の支持ぶりが際立つ話題のドラマがあります。広末涼子主演の「聖女」(火曜夜10時NHK)。初回から主人公・基子の濃厚なラブシーンが「見せ場をつくった」と話題沸騰。

「広末は白いスリップから肌をあらわにし、濃厚なキスシーンから、教え子が彼女に覆いかぶさる時の広末の官能的な表情がエロくて良かった…清純派のイメージが強いあの広末がここまでするのかと感慨無量です」と放送担当記者(週刊文春2014.10.2)。感無量という口調からしてこの関係者はおそらく男性。それ以外にも広末さんの官能的な姿を喜ぶ声があちこちで聞かれます。

「聖女」は一応、ラブサスペンス仕立て。基子は連続殺人を犯した容疑者として法廷に立つ。その筋立てはさて置き、このドラマの作り方にはある特徴が。

 広末さんが演じる基子を、聖女聖女と、くどいまでに強調。「美しい人」「穢れのない女性」と持ち上げっぱなし。そしてカメラはやたらにアップ。口もと、胸元を写し出す。基子の台詞は「みなさんが私を必要だと」。ドラマの役柄を超えて、不自然さを感じるほどカリスマ的な女性に描かれる。

関連記事

トピックス

米倉涼子
《米倉涼子の自宅マンション前に異変》大手メディアが集結で一体何が…薬物疑惑報道後に更新が止まったファンクラブは継続中
火事が発生したのは今月15日(右:同社HPより)
《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》サウナ閉じ込め、夫婦は覆いかぶさるように…専門家が指摘する月額39万円サウナの“論外な構造”と推奨する自衛手段【赤坂サウナ2人死亡】
NEWSポストセブン
自らを「頂きおじさん」と名乗っていた小野洋平容疑者(右:時事通信フォト。今回の事件とは無関係)
《“一夫多妻男”が10代女性を『イヌ』と呼び監禁》「バールでドアをこじ開けたような跡が…」”頂きおじさん”小野洋平容疑者の「恐怖の部屋」、約100人を盗撮し5000万円売り上げ
NEWSポストセブン
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン
来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン
迷惑行為を行った、自称新入生のアビゲイル・ルッツ(Instagramより)
《注目を浴びて有料サイトに誘導》米ルイジアナ州立大スタジアムで起きた“半裸女”騒動…観客の「暴走」一部始終がSNSで拡散され物議に
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《異なる形の突起物を備えた光沢感あるグローブも…》10代少女らが被害に遭った「エプスタイン事件」公開された新たな写真が示唆する“加害の痕跡”
NEWSポストセブン
「みどりの『わ』交流のつどい」に出席された秋篠宮家の次女、佳子さま(2025年12月15日、撮影/JMPA)
佳子さま、“ヘビロテ”する6万9300円ワンピース 白いジャケットからリボンをのぞかせたフェミニンな装い
NEWSポストセブン
オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン
愛子さまへのオンライン署名が大きな盛り上がりを見せている背景とは(時事通信フォト)
「愛子さまを天皇に!」4万9000人がオンライン署名、急激に支持が高まっている背景 ラオス訪問での振る舞いに人気沸騰、秋篠宮家への“複雑な国民感情”も関係か
週刊ポスト
群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン