国際情報

朴政権の反日映画 日本憎しより国民の自尊心満足させる狙い

 中国では、終戦70年の節目を迎える来年、数多くの「抗日映画」の公開が予定されているが、韓国も中国に劣らず準備している。

 その名も『独島512』。512年とは、韓国が竹島(韓国名:独島)を固有の領土と考える根拠(※注)となる数字だ。詳しいあらすじは公開されていないが、竹島を巡る社会ドラマということは間違いなさそうだ。

【(※注)韓国政府は、<古来、独島は于山国という国の領土に含まれている。名を于山島といった。512年、新羅は于山国を併合。その時から公式文書に、独島という名前が登場する>と主張する。しかし、韓国の古地図に記されている于山島の位置は、現在の竹島と逆にあり、于山島は竹島ではなかったことが昨今の
日本の研究によって明らかとなっている】

 キャスト陣も豪華だ。KBS大河ドラマの金字塔とされる『不滅の李舜臣』(2004~2005)のプロデューサーであるジョン・ヨンチョル氏が総監督を務め、ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』などへの出演で韓流ファンにはお馴染みの演技派俳優、イム・ヒョンシク氏が出演する。

 特筆すべきは35億ウォン(約3億5000万円)とされる制作資金が市民団体の募金活動で集められていることである。既に公式HPには、イム・ヒョンシク氏が次のように語る動画が公開されている。

「国民の皆さん、私たちの独島を武力で食い荒らす者たちは、埃みたいにさっさと海に掃き落として、独島を守ろうではありませんか」

 極めて政治的なコメントである。韓国映画関係者がいう。

「映画は、日本の“右傾化”に伴って企画されたそうです。独島をめぐる作品は、テレビドラマではありましたが、映画界が直接、このテーマを扱うのは初めてでしょう」

 政治度合いということなら、こちらも負けてはいない。2015年公開予定の『鬼郷』は、現在も日本政府に謝罪を要求し続ける実在の「慰安婦」被害者、カン・イルチュン氏の体験が題材となっている。

 物語は少女がある日突然、中国満州の慰安所に連れられて日本軍の慰安婦になるところから始まる。泥酔した日本兵将校に暴行を受けたり、病気などで衰弱した少女たちを日本兵が並べ、まとめて殺害したり、映画での日本軍の描かれ方は、悪辣極まりない。

 宣伝用の動画では他の「慰安婦」被害者たちが登場し、

「証拠(自分たち)が生きているのに、(日本政府は)どうして証拠がないと言えるのか」

「自分が生きている間に、日本側から『悪いことをしたと思う』とか『過去のことは忘れて、一緒に平和を築きましょう』という台詞を聞いてみたいというのが本音です」

 と切に訴える。この他にも竹島の歴史背景を辿るドキュメンタリー映画『独島の英雄』や、冬季五輪の開催地である平昌が舞台の『最後の慰安婦』などの制作が現在進行中だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

双子の男の子の母となった中川翔子。出産前日のインスタグラム@shoko55mmts より。
【祝・速報!】中川翔子が双子の男の子を出産、多くの苦難を乗り越えてミラクル誕生
NEWSポストセブン
「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したという坂口
《お相手は59歳会社員》坂口杏里、再婚は「ゼロ日」で…「ガルバの客として来てくれた」「専業主婦になりました」本人が語った「子供が欲しい」の真意
NEWSポストセブン
愛されキャラクターだった橋本被告
《初公判にロン毛で出廷》元プロ棋士“ハッシー”がクワで元妻と義父に襲いかかった理由、弁護側は「心神喪失」可能性を主張
NEWSポストセブン
水谷豊
《初孫誕生の水谷豊》趣里を支え続ける背景に“前妻との過去”「やってしまったことをつべこべ言うなど…」妻・伊藤蘭との愛貫き約40年
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年9月28日、撮影/JMPA)
「琵琶湖ブルーのお召し物が素敵」天皇皇后両陛下のリンクコーデに集まる称賛の声 雅子さまはアイテム選びで華やかさを調節するテク
NEWSポストセブン
世界選手権でもロゴは削除中だった
《パワハラ・セクハラ問題》ポーラが新体操日本代表オフィシャルスポンサーの契約を解除、協会新体操部門前トップが悔恨「真摯に受け止めるべきだと感じた」
週刊ポスト
辞職勧告決議が可決された瀬野憲一・市長(写真/共同通信社)
守口市・瀬野憲一市長の“パワハラ人事問題”を市職員が実名告発 補助金疑惑を追及した市役所幹部が突然の異動で「明らかな報復人事」と危機感あらわ
週刊ポスト
新井被告は名誉毀損について無罪を主張。一方、虚偽告訴については公訴事実を全て認めた
《草津町・元町議の女性に有罪判決》「肉体関係を持った」と言われて…草津町長が独占インタビューに語っていた“虚偽の性被害告発”
NEWSポストセブン
田久保真紀市長が目論む「逆転戦略」は通用するのか(時事通信フォト)
《続く大混乱》不信任決議で市議会を解散した伊東市の田久保真紀市長 支援者が明かす逆転戦略「告発した市議などを虚偽告発等罪で逆に訴える」
週刊ポスト
祭りに参加した真矢と妻の石黒彩
《夫にピッタリ寄り添う元モー娘。の石黒彩》“スマホの顔認証も難しい”脳腫瘍の「LUNA SEA」真矢と「祭り」で見せた夫婦愛、実兄が激白「彩ちゃんからは家族写真が…」
NEWSポストセブン
群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左/共同通信)
《目撃者が明かす一部始終》「後ろめたいことがある人の行動に見えた」前橋・女性市長の“ラブホ通い詰め”目撃談、市議会は「辞職勧告」「続投へのエール」で分断も
NEWSポストセブン
本誌記者の直撃に答える田中甲・市長
【ダミー出馬疑惑】田中甲・市川市長、選挙でライバル女性候補潰しのために“ダミー”の対立女性候補を“レンタル”で擁立した疑惑浮上 当の女性は「頼まれて出馬したのか」に「イエス」と回答
週刊ポスト