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長野県北部地震的中の東大名誉教授「的中ではなく反省材料」

 11月22日の夜10時8分、長野県北部を「震度6弱」の大地震が襲った。県北部に位置する神城断層が震源と見られている。死者こそ出なかったものの、県内の負傷者は46人(うち10人は重傷)に達した(11月26日現在)この地震を独自理論により的中させたのが、東大名誉教授の村井俊治氏だ。

 村井氏は過去のデータから、1週間単位の短い期間に、電子基準点に4cm以上の上下動があった場合を「警戒ライン」とし、過去の地震前に起きていたパターンと比較した上で、地震発生の危険性を判定する。その結果、浮上したのが「白馬」だった。この地点の電子基準点は、期間中に8.33cmという大きな変動を見せていた。

 村井氏はこれまでも5月5日に首都圏を直撃した地震(東京・千代田区で震度5弱)や、9月16日に栃木・群馬・埼玉で震度5弱を記録した地震など、今年に入って起こった震度5以上の地震を次々と的中させている。加えて今回の長野県北部での地震も予知していたとなれば『MEGA地震予測』への信頼度はますます高まってくる。しかし当の村井氏は「まだ予測できたというレベルにはない」と慎重だ。

「甲信越、飛騨地方は今年に入ってから隆起・沈降を繰り返しており、警戒を出し続けていました。中でも白馬は異常変動の大きかったポイントであり注目していた。『週刊ポスト』で警戒を呼び掛けたのもそのためです。

 しかし、マップ発表後、長野県・御嶽山の噴火や9月16日の北関東での地震などがあったため、地震活動はある程度落ち着くとも考えていた。最近発表したメルマガでは同地域の警戒レベルを落としていました。ため込まれていたエネルギーは私の予想以上に大きかったわけです。私の予測法はまだ場所や規模、日時を正確に提示できる段階にありません」

 村井氏にとっては、今回の「的中」も決して満足できるものではなく、反省材料という位置づけだ。しかし本誌は、電子基準点の異常変動の推移と村井氏の地震予測は、国民の防災にとって非常に有意義なデータだと捉えている。

 村井氏による『週刊MEGA地震予測』は毎週水曜日発行(216円)。詳しくは http://www.jesea.co.jp

※週刊ポスト2014年12月12日号

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