国際情報

日本人 かつて中国人にモテたが今は「ただの同じアジア人」

 中国人の「婚活」にかける熱意は日本の比ではない。中国在住ジャーナリストの西谷格氏(33歳)が、独身生活にピリオドを打つべく、中国版婚活パーティーに参加した。

 * * *
 上海市内のコーヒーチェーン店の2階へと上がると、薄暗い店内で5~6組の男女が小さなテーブル席で向かい合い、雑談に興じていた。

 どこか雰囲気がおかしいと思って観察すると、男たちのアプローチが非常に消極的なことに気が付いた。私の隣にいた男性は重箱入りの中華弁当を黙々と食べ続けており、女性とほとんど会話をしていない。また別のテーブルでは、うつむきながらひたすらスマホをいじってゲームやメールをしており、彼女作る気あるのか! と言いたくなる。

 女性の方はというと、最初に対面したのはビン底眼鏡の24歳の女性で、目つきは政治家の石破茂に似ている。話を聞くと、どうやら彼氏いない歴=年齢らしい。他の参加者も決して容姿端麗とは言い難かったが、何回か席替えをした後、日本でもわりとモテそうな部類の福原愛似の26歳女性を発見。服装もスーツスタイルで落ち着いており、見た目の印象は群を抜いている。洗練された雰囲気に魅力を感じ、喜び勇んで話しかけた。

「好きな男性のタイプは?」
「誠実で優しくて向上心のある人」
「相手の収入はいくらぐらいが希望?」
「私と同じ程度ならいいわよ。毎月7000~8000元(13万円前後)ぐらいかな」

 拝金主義のはびこる中国なので ”三高(高収入・高学歴・高身長)”を要求されるのかと思いきや、表向きはそうでもなかった。だが、中国では結婚した夫婦は持ち家に住むべきとの価値観が根強く、借家住まいの男性に結婚する資格はないという風潮すらある。そのあたりはどうなのか。

「相手が家を持っていたらベストだけど、なければ2人で30年ローンを組めばいい。ローンは精神的にも負担があるけど、家なしで結婚生活はできない。親が心配する」

 大家の都合でいつでも住人が追い出されてしまう中国では、持ち家は絶対的なステータスなのだ。

 パーティーでは反日感情ゆえに日本人ということで拒絶されることもなかった。中国人女性との会話では、日本のアニメや夫婦像について質問されるなど終始和やかなムードであった。ただし、日本人というだけでかつてのようなブランド価値があるわけではない。

 中国に住む知り合いの60代の日本人男性によると、1990年代終わり頃までは「日本人=お金持ち」という図式があり、日本人というだけでルックスに関係なくモテた時代があったという。しかし、その後中国では日本人以上の富裕層が増え始め、そのポジションは彼らに奪われた。現在ではよくも悪くも「ただの同じアジア人」でしかない。

※SAPIO2015年1月号

関連記事

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン