この“お助け”も仕組まれたものだったという。撮影に関わった坂本氏とは別の同社関係者が明かした。
「取材が始まる前に社内では撮影の段取りが出来上がっていました。筋書きを考案したのは相談役のBさんです。“夜中にナメクジが出ると面白い。ゴキブリなら逃げられるけど、ナメクジは逃げないからちょうどいい”と決まりました。撮影初日の朝に4~5人の社員でミーティングし、Bさんの指示でナメクジを浴室に置く段取りを確認しました。NHKはこの事実を知らないはずです」
「アハハ」と笑っていた依頼主も“仕込み”だという。
「依頼した女性はスタッフのひとりの知人です。撮影当日は、依頼の電話が鳴る30分前にそのスタッフが“依頼者宅”に向かい、ナメクジをセッティングしていました」(同前)
この「出来すぎ」な状況には現場のNHKのカメラマンも不思議がったという。
「さすがに疑問を抱いたのか、撮影中『なんでこんなキレイなバスルームなのにナメクジがいるんでしょうね』と首を傾げていました」(同前)
当事者たちはどう答えるか。「お助け本舗」の運営会社社長のA氏はこう開き直った。
「マッサージチェアを運び込んだのは確かに妻の実家です。一般のお客様と同じように依頼を受けていたところ、たまたまテレビの取材が来ていたので放送しただけです。これが何か問題になるのでしょうか?」
マッサージチェアの購入者については「依頼者の娘さんが購入されてますね。私の妻とその姉妹です」と、やらせを否定した。
ナメクジの疑惑については、「事実ではありません」と否定し、前出の同社関係者の証言内容を質しても詳細は語らなかった。
映像を「ドキュメンタリー」として全国放送で流したNHKの広報局は「(番組では)同行して作業をさせていただくこと以外、何のお願いもしておりません」と答えるのみ。
※週刊ポスト2015年5月22日号