芸能

火野正平 芝居のときその女優がいい女に見えなきゃ嫌なのさ

 テレビドラマや映画で長く活躍している俳優、火野正平のデビューは子役としてだった。子役時代のこと、共演者への思いについて火野が語った言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏の連載『役者は言葉でできている』からお届けする。

 * * *
 火野正平は1959年に子役として役者のキャリアをスタート、『少年探偵団』などのテレビドラマに出演する。当時は本名の「二瓶康一」を名乗っていた。

「一番の理由は二番目の親父と肌が合わなかったから。しょっちゅう喧嘩して、おふくろが悩んでいたんだと思う。そんな時に児童劇団の応募を見たら日曜はお稽古って書いてあったみたいで、親父の休みの日曜に俺がいなくなる……そんな単純な感じだったみたいよ。

 すぐに『少年探偵団』のレギュラーに決まって、ふと気付くとお小遣いが親からもらうよりはるかにいいわけよ。それで、これはやめられまへんなと思って。最初はビビったよ。テレビ局って、子供にしちゃ建物が大きいじゃない。ビビって周りをウロウロして、意を決して入ったのを覚えてる。『なんでも一人で行きなさい』とおふくろに言われていたしね。

 厳しい世界だったよ。セリフがちょっと増えだしたら、先輩から河田町のフジテレビの裏に連れていかれて引っぱたかれたこともある。『生意気だ』って。

 演技をする、とかはガキだから考えてないし、そのほうがいいのかなと思っていた。とりあえずテレビに映るのが面白いというのはあったけどね。出たとこ勝負だったし、演技論とかは分からん。気が付いたら、自然とやっていた……みたいな。それは今でもそうだよ」

 子役出身の場合、大人の役者になるのに苦しむことが多いが、火野もまたそうだった。

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン