芸能

『あすなろ三三七拍子』など低視聴率だが面白いフジ系ドラマ

 テレビドラマの低視聴率化が止まらない。4月期は、視聴率男といわれる木村拓哉(42才)や堺雅人(41才)主演のドラマがあったが、どのドラマの視聴率も10%台前半ばかり。なかには5%を切っている作品さえある。

 テレビ局関係者が言う。

「低視聴率が続くと、最悪の場合は打ち切りになってしまいます。最近は“全○話”と発表しないことが少なくありませんが、それは打ち切りになった時に『予定通りです』と言えるからなんです(苦笑)」

 だが、視聴率が低いからといって、決してつまらないとはいえない。近年、録画して視聴した人たちの数値を表す「録画再生率」に注目が集まっている。

「視聴率が悪くても、録画再生率が高いドラマがあります。つまり、低視聴率だから“おもしろくない”とは言い切れない。良質なドラマがたくさんあります」(コラムニストでドラマウオッチャーのペリー荻野さん)

 ここ数年、視聴率が1ケタ台だったドラマのなかから、おもしろかった作品をペリーさんに厳選してもらった。

 ひとつは、平均視聴率5.2%となった、柳葉敏郎、剛力彩芽、反町隆史ら出演の『あすなろ三三七拍子』(2014年、フジテレビ系)。

 中年サラリーマンの藤巻大介(柳葉)は、社長の命令により、リストラの代わりに廃部の危機に陥った大学の応援団団長に就任。スーツの代わりに制服は学ランで、返事は“押忍!”。応援団の再建に賭けた青春群像劇。

「50代の中年応援団。熱血青春ドラマとしてすごく感動しました」とペリーさんは高く評価する。

 大学の応援団への“出向”を命じられ、戸惑いながらも決意する藤巻大介を柳葉敏郎(54才)が好演。反町隆史(41才)やほんこん(51才)もメンバーに加わって、熱い友情で結ばれる中年青春ドラマだ。

「みんな大真面目にやっていて、真面目にやればやるほど格好悪さが出るんだけど、その一生懸命さがすごくよかったんです。応援団というものを受け入れられない人が多いのかな。トレンディードラマに欠かせなかった50代の柳葉を見ていると、何か懐かしい感じがするんです。たぶん40~50代の層に訴えかけようとして作ったドラマでしょう。見ればグッとくると思います」(ペリーさん)

 続いては、平均視聴率3.9%、オダギリジョー、ユースケ・サンタマリア、貫地谷しほりらが出演した『家族のうた』(2012年、フジテレビ系)。

 早川正義(オダギリ)はかつて人気ロックバンドのボーカル&ギターだったが、ソロ活動後、仕事が激減。そんなある日、正義の前に彼の子だと名乗る子供たちが現れる。全11話の予定だったが、低視聴率のため、8話で打ち切りになったことで有名なドラマ。

「オダギリジョー(39才)演じる売れないミュージシャン早川正義は、不器用だけど優しいキャラクターでした。“我慢すると心が腐る”と言いながら、子供のために嫌な仕事を引き受ける心優しい人なんです。

 おもしろいドラマだったのに、“低視聴率”でダメ評価のレッテルを貼られてしまいました」(ペリーさん)

 ユースケ・サンタマリア(44才)演じるマネジャーとの関係も見どころだったという。

「早川の本当の魅力を知っていて、支えてやろうというマネジャーとの男の友情も見どころでした」(ペリーさん)

※女性セブン2015年6月25日

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン