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2015.06.15 16:00  週刊ポスト

東京に拠点のある指定暴力団トップが相次ぎ逮捕 その容疑は

 暴力団の源流をさかのぼると、賭博を生業とする博徒と、縁日などの露天で「売(ばい)」を行なうテキヤに大別される。

 この6月に入って警察は関東最大のテキヤ組織で指定暴力団「極東会」(本部・東京都豊島区)の松山眞一会長(87)と、博徒系の指定暴力団「住吉会」(本部・東京都港区)の関功会長(69)を相次いで逮捕した。

 当局の把握している情報によると、極東会の構成員は約800人で、首都圏を中心に15都道県に勢力を拡げている。住吉会は構成員、準構成員数合わせて約8500人。日本最大の指定暴力団「山口組」(本部・兵庫県神戸市、約2万3400人)に次ぐ規模を持つ巨大組織だ。

 両トップの逮捕は暴力団の完全排除を狙う警察当局の「新・頂上作戦(※注)」の象徴で、暴力団社会に衝撃を与えた。

【※注/警察が暴力団組織の中枢幹部をターゲットに取り締まりをすることを頂上作戦と呼ぶ。1964年から第一次頂上作戦、1970年から第二次頂上作戦、1975年から第三次頂上作戦が実施され、多くの有力団体が解散した。2010年の山清司・山口組若頭の逮捕は「平成の頂上作戦」とも呼ばれた】

 極東会元幹部がいう。

「松山会長は、関東のテキヤ組織をまとめあげた伝説的な親分です。そんな大親分を他人名義の銀行口座を作っただけで逮捕した。

 かつての警察ならば、大物にはそれなりの接し方をすることで組織関係者が関わった事件の解決に利用することもあったが、今はそれも必要ないということ。むしろトップを狙い撃ちすることで、組織をガタガタにするつもりでしょう」

 松山会長はテキヤ組織の大規模な親睦団体「関東神農同志会」を立ち上げたことで、暴力団の世界では広く名の知られた人物だ。

 1980年代まではテキヤ同士の縄張り争いが絶えず、博徒系ヤクザとの抗争も日常茶飯事だった。1983年、松山会長が理事長を務めていた「極東関口会」(現・極東会)と「住吉連合会」(現・住吉会)が「池袋抗争」を起こした。

 そのとき松山会長は、住吉連合会側が「関東二十日会」という親睦組織を持つことで博徒系組織の間の抗争の抑制や調整をしているのを見て、テキヤ組織にも親睦組織が必要だと痛感したという。

 それから松山会長が奔走し、翌1984年、テキヤ系の69組織が大同団結して「関東神農同志会」(松山会長)が発足する。関東神農同志会と関東二十日会は定期的に会合を持つようになり、友好を深めた。

 それ以降、関東の暴力団の重鎮として知られるようになった松山会長が、さる6月2日、警視庁組織犯罪対策4課に逮捕された。都内の大手銀行支店で、実際は松山会長が利用するのに長女名義で口座を開設し、通帳とキャッシュカードを騙し取った詐欺の容疑だ。

 2011年10月に全国施行された暴排条例は暴力団構成員による銀行口座の開設や不動産の売買・賃貸を禁じた。「財布」と「住所」を取り上げられた彼らが、やむなく親族や知人の名義で口座を作ったり、部屋を借りたりすると詐欺罪が成立する。警視庁はそれを適用し、縄をかけたのだ。

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