◆次は免許証とパスポートを狙う
その5日後、またも暴力団の世界に衝撃が走った。今年4月の千葉県議選を巡って、3月上旬に飲食店で有権者らを接待したとして関功・住吉会会長が千葉県警に公職選挙法違反(供応買収、事前運動)の疑いで逮捕された。
関会長は住吉会ナンバー1の西口茂男総裁に引き立てられ、昨年4月、ナンバー2の会長に昇格したばかりだった。大手紙の千葉県警担当記者がいう。
「警察は“有権者に立候補者への投票や票のとりまとめを依頼し、その報酬として飲食をさせた”と主張するが、実際にはただの同窓会だったようです。
場所は千葉県内のカラオケのある日本料理屋。その日、関会長は高校の同窓生10数人と集まって演歌を歌うなど宴会に参加していた。その同窓生の中の誰かが候補者(現県議)と知り合いだったので、候補者が少し宴席に顔を出して挨拶し、酒にも口をつけずに帰ったという。
関会長と県議に面識はなかった。それでも、たまたま1人3000円の食事と約20本のビール代を関会長が支払ったことから、県警は“票の見返りの飲食代”と見立てて公選法違反で逮捕しました」
●文/伊藤博敏(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2015年6月26日号