スポーツ

甲子園で18回投げた太田幸司氏 「タイブレーク導入は反対」

「元祖・甲子園のアイドル」だった太田幸司氏

 1969年夏、東北勢として戦後初めて決勝進出を果たした三沢高(青森)と松山商業(愛媛)の熱戦は延長18回と、翌日の再試合を三沢高校の太田幸司選手が1人で投げ抜き準優勝。美少年エースの熱投に日本中の女性ファンが熱狂し、太田は“コーちゃん”の愛称で女子高生から絶大な人気を誇る「元祖・甲子園のアイドル」となった。太田氏が、プロ入りしてからの苦悩、人気に火をつけた甲子園での決勝戦について振り返った。

 * * *
 甲子園での人気は、近鉄に入団した当時は重荷でした。1年目は1勝しか挙げていないのにオールスターのファン投票では大差で1位。2年目は勝ち星がないのに1位だった。これほどファンを恨んだことはない。投票結果を見るたび、もっと野球をわかってよと思いました。

 入団当時の私は真っ直ぐと曲がらないカーブしか投げられなかった。2~3年はしっかり鍛えてと思っていたが、マスコミが『殿下』のニックネームをつけて勝手に盛り上げてくれた。それで2年目に成績が伴わないと「人気先行」と叩いてくる。たまらなかったですね。

 実は私は、プロ入り後はほとんど喋りませんでした。元々人前で喋るのが苦手だったのもあるが、間違ったニュアンスで書かれるのが嫌だったからです。これも甲子園で騒がれたことの反動だったのかもしれません。

 甲子園でのピッチングがベストという思いが強く、人気と実力の大きな落差に悩んだ。2年目にはボールがホームベースに届かないイップスになってしまった。オフには野球を辞めようかとまで思い詰めました。

 でもそんな時、「甲子園は忘れろ」と先輩からアドバイスをもらい、フォーム改造をして球種を増やした。迎えた3年目のオールスター、甲子園で先発して江夏(豊)さんと投げ合い、新しく覚えた変化球でON(王貞治・長嶋茂雄)を打ち取ったんです。これが自信になってその後は勝ち星を増やせた。この時、自分の野球人生におけるすべてのきっかけは甲子園にあるんだと痛感しましたね。

トピックス

永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン