不安に拍車をかけるのが、「水平方向の動き」だ。千葉の房総半島南部、神奈川の三浦半島、静岡の伊豆半島南部に周囲と違った動きが見られる。
「特に注意すべきは房総半島です。北東部にある銚子と南部にある館山で水平方向の動きが真逆になっており、そのゆがみが拡大している」(村井氏)
村井氏は予測精度を高めるため、今年4月から神奈川県大井町と小田原市に「自前の電子基準点」を導入した。
「導入間もないので軽々に判断することはできませんが、小田原の基準点で7月に異常が見られています。特に13~14日に大きな異常が確認されました。過去に関東地方を襲った巨大地震の例が示しているように、危険な兆候が表われている地域のどこで地震が起きても首都圏は甚大な被害が予想される」(村井氏)
最新の研究では、江戸時代の元禄地震の震源は千葉県、大正時代の関東大震災の震源は神奈川県であったと判明している。しかし、いずれも江戸=東京の被害が最も大きかった。これは関東のどこが震源でも、地盤の緩い首都圏が一番揺れる可能性が高いことを示している。現実に、昨年5月5日の伊豆大島近海地震で震源に近い大島では震度2だったが、東京の千代田区では震度5弱を記録している。
■村井氏の予測は毎週水曜日発行のメルマガ『週刊MEGA地震予測』(月額216円)で確認できる。詳しくはhttp://www.jesea.co.jp/
※週刊ポスト2015年8月21・28日号