益子:ライブでちっと滑っても、「くそつまんねえ」とか、あまりアンケートに書かれないですね。方言でやわらいでるというか。
福田:お客さんを責めるタイプのネタをする人は、「早くやめちまえ」とか、厳しいことをアンケートに書かれる芸人もいるんです。でもぼくらが滑っても、「ほのぼのして温かい気持ちになれた」と書いてもらえたり。今まで、罵詈雑言はなかったですね。
益子:アンケートには、方言のことがよく書かれます。「栃木弁が恥ずかしくて隠していたけど、堂々と使えるようになりました」とか書いてあると嬉しいです。
福田:「栃木出身なんですけど、東京で栃木のなまってる人が頑張っているのを見て、勇気をもらえました」とか、嬉しいよね。
――つぶやきシローさんも栃木のかたですが、あまりなまってないように聞こえますね。
益子:実は栃木の中でも方言が違うんですよ。北の福島県寄りと、中央の宇都宮地域と、南の埼玉県寄りで違うんです。つぶやきさんは野木町というところ出身で、南側だからあまりなまってないし、優しい感じの尻上がりなんです。でも北は「だっぺよ」って、破裂音が入る。だから南の人には、「栃木はそんなになまってないでしょ」って言われるんです。なまってると思われて困るって。それは申し訳ないんですけど、だいぶ違うんですよ。
――方言芸人のライバルはいますか?
福田:いえ、みんな仲間ですね。茨城の方言を使う赤プルさんも、面白いなと思って見てます。共感することも多いですしね。あと、ザ・たっちさんも栃木なんですけど、なまっていないですね。
益子:あまり栃木出身の芸人と会わないんですけど、フィーリングは合う気がします。「栃木県人会やろうね」と言いながら、絶対やらないところとか(笑い)。「栃木でなんかやれたら」って言うだけ。栃木の県民性って、積極的じゃないんです。
――ずっとローカルネタだと、ネタがつきませんか?
益子:つきますね。ネタ作ってもまた似てるな、みたいな。
福田:思考回路が、同じ道に行っちゃうんですよね。そういうときは、思い切ってやめて新しいものを作ったりします。
益子:だから参考に、栃木の新聞のニュースサイトはよく見ていますね。『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)とか出るときに、情報を知っていると使えたりするし。
福田:ぼくらのブログのコメント欄に、栃木のかたが書き込んでくれて、情報を得ることもあります。ありがたいですね。でも基本的には自分たちで探します。栃木県ってかんぴょうの名産地なんですけど、いじりやすい食べ物なんですよ。メジャーなものに比べたら、マイナー感があるじゃないですか。
――どんなネタになったんですか?