国内

山口組大分裂 名古屋の「本家」に関西の幹部組長らが反発か

 創設100年を迎えた山口組に亀裂が走った。8月27日朝、兵庫・神戸市灘区の六代目山口組の総本部に、次々と高級車がすべり込んだ。乗っているのは山口組傘下の組長たちだった。
 
 この日、総本部では緊急の幹部会が開かれ、全国から直参(じきさん)と呼ばれる傘下団体の組長が集まった。そこに顔を出さなかった組長が10人以上いた。彼らこそ山口組の「分裂」を企てたグループだった。
 
 集まった幹部たちはすぐに彼らの処分を検討した。「その場で絶縁5人、破門8人などが決まった」(捜査関係者)とされる。この捜査関係者が続ける。
 
「これで抗争が始まるのは避けられない。山口組は全国に傘下団体を持つ。関西だけでなく各地で血が流れることになる」
 
 この“クーデター”は、なぜ起こったのか──。警察庁によれば、六代目山口組は2014年末の時点で、構成員・準構成員などを合わせて約2万3400人。全国の暴力団の43.7%を占める国内最大の暴力団組織である。
 
 それを主導するのが司忍(本名・篠田建市)組長の出身母体であり、愛知・名古屋市に本部を置く弘道会だ。その体制に不満を抱く勢力もあった。ある傘下団体幹部がいう。
 
「先代の渡辺芳則五代目が神戸の山健組だったように、それまでは関西から組長が選ばれてきた。司六代目は関西以外の組織で初めてトップに立った。
 
 山口組には『本部』と『本家』という考え方がある。本部は神戸の総本部で、本家は組長の出身組織。つまり現在の本部は神戸で本家は名古屋になる。それに違和感を覚える直参は少なくない。山口組は日本中に組員を抱えるが、やはり中心は関西であるべきだという考え方は根強い」
 
 今回のクーデターで、処分を受けたのは、ほとんどが関西を本拠とする組長だった。その面々は六代目山口組の中枢を担う幹部ばかりだった。反旗を翻したのには、彼らなりの理由があったようだ。 

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン