加護の逆をいってしまったのが、“元同僚”の矢口真里(32)だ。復帰後、さまざまな番組で不倫騒動について語る機会のあった矢口だが、その言動が「被害者ヅラをしている」とネット上で批判されることもあった。そのためか、今も復帰前のような活躍はできないでいる。矢口の場合は、「頭の回転が速いので、言い訳ができてしまう」(仁科さん)が、加護は矢口と違って、要領よくうまく立ち回るタイプではないため、結果的に世間から嫌われていないという。加護の強みは、この良くも悪くも「騙されやすい力」だと言えよう。

 今後も今まで通り「天然」「おバカ」というキャラクターを続けるのは大きな武器となるはずだ。しかし加護がおバカキャラというのは、すでに多くの人が承知済み。芸能界には他のおバカキャラも多く、今さら加護がおバカキャラでブレイクするのは難しいのではないかという気がするが、仁科さんはこう語る。

「実は『シングルマザーのしくじりキャラ』という席が空いているんです。カップルの三組に一組が離婚する現在、離婚はマイナスイメージではなく、その後の売り方しだいでポジティブなイメージに変えることができます。今芸能界では、スザンヌさん、新山千春さんといったシングルマザーのタレントが注目されています。スザンヌさんは、離婚後も元夫の悪口を言わなかったように、とても芯が強く、実家との関係も良好で、子育てのサポートが期待できるなど、『シングルマザーの優等生』です。

 新山さんはどちらかというと、『自分は努力したのに』と元夫を責めるように取れるような内容の発言が多く、バッシングされました。加護さんはこの二人の間を突いて、しくじりを隠さないキャラを出していけばいいんじゃないでしょうか。シングルマザーの仕事と家庭の両立が簡単ではないことを、視聴者はわかっています。だからこそ、がんばりすぎないシングルマザーのありのままの姿は、説得力のあるものとして映るのではないでしょうか。実家やお嬢さんと仲良くしつつ『恋愛したけど、また失敗しちゃいました!』とテレビでぶっちゃけてしまうくらいでいいと思います」

 モー娘。時代のように加護ちゃんの天真爛漫な笑顔がテレビに溢れる日は来るのか――。

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