加村さん:実際にそんな毎日だったしな。イノシシを捕まえたり、川に飛び込んで魚を捕ったり。群馬から福島、新潟まで山を歩いたよ。毎日の食べ物を探すことに必死だったんだな。
リリー:加村さんは13才で家出をするとき、調味料を持って行ったところからして、サバイバルの才能があるんでしょうね。
加村さん:家が貧乏だったから、小さい頃から川をせき止めて魚をとったり、カブトムシの幼虫を手で割って焼いて食べたりしてたのよ。
リリー:ぼくも家が田舎でしたから、山で遊んでましたね。小刀を持って、竹の子やアケビを採ったり。ヘビやカエルは平気でしたけど、魚は苦手でしたね。撮影で鯉を掴むシーンがあったんですが、あれは嫌でしたね。
〈13才で家を出た加村さんは、以来、人とのかかわりを徹底して避けた。親から受けた虐待のせいだった。〉
リリー:家を出るとき、もう帰れないという覚悟があったんですか?
加村さん:小さい頃に、うんと親からいじめられてたから。今でも頭の中に残ってる。ロープで墓石に括られて、頭に雪が積もってもそのままにされて…。だから、絶対に誰にも見つかったらいけないと思ったの。
リリー:荒野での生活をやめてから、ご両親のお墓参りに行くシーンがありますが、その時もご両親が亡くなった悲しみというよりも…。
加村さん:おれは行きたくなかった。やっぱりいじめられていた時の記憶が甦るほうが大きかった。
リリー:ドラマで走るシーンが多かったのは、加村さんが両親からも世間からも逃げなければならなかったことが大きかったように思います。
※女性セブン2015年10月8日号