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山口組も神戸側も処分者の復活を許可 もはやなんでもあり

 暴力団のクーデターで離脱派が不利なのは、過去の歴史が物語る。だからこそ今回の山口組分裂でも、六代目山口組側が、新たに生まれた「神戸山口組」に対し、圧倒的有利との下馬評だった。ところが一転、ここに来て情勢が変わりつつあるという。いったい、何が起きているのか。暴力団事情に詳しいフリーライター・鈴木智彦氏がレポートする。

 * * *
 分裂から2か月経過した現在、山口組と神戸山口組は全国各地で小競り合いを繰り返している。10月6日、長野県飯田市の温泉施設前で組員が銃殺された事件の背景には、神戸山口組への移籍問題があると推測されたが、山口組も神戸側も、早急に「関知しない」という方針を公表した。つまりお互いが抗争をしないと明言したのだ。抗争は暴力事件が発生し、それに対する「報復」があって成り立つので、どれだけ緊迫した空気でも、いまだ“抗争前夜”と表現するしかない。
 
 しかし、この問題は話し合いで解決できない。山口組に反旗を翻した神戸側は、なし崩し的であっても存在し続け、引き分けに持ち込めば目的を達成できる。対する山口組は、彼らが言うところの「逆賊の謀反」集団を解散に追い込むまで動きを止められない。一触即発の空気の中、双方の上層部が「抗争はない」と繰り返すのは、偶発的な小競り合いが発展し、歯止めが利かなくなった際に、警察の取り締まりを躱(かわ)すための方便と解釈するのが妥当だ。
 
 一方、抗争抑止に躍起の警察は、各県警が入れ替わりで、連日のように家宅捜索を行なっている。神戸山口組の最大派閥である山健組は、分裂後、すでに5回も“招かれざる客”の訪問を受けた。双方の本部、傘下組織へのガサ入れは、ざっと2日に1度というハイペースだ。
 
 うかつに事件を起こせば、トップまで一網打尽にされかねない。が、沈黙を続けていても事態は進展しない。というより、このままだと警察に潰されかねない。
 
「動いてもパクられる。黙ってても警察にやられる。袋小路に入ったようなもの」
 
 数年前、山口組の二次団体を引退した元組長は他人事の風情で皮肉に笑った。

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