他にも後任として名前が取り沙汰された、現一軍ヘッドコーチの川相昌弘氏、同投手コーチの斎藤雅樹氏の名前が消えたのも、集客面に問題ありと判断されたからだといわれている。
「本来なら高橋監督までの“つなぎ”として、どちらかが後任に落ち着くのが自然でしょう。しかし、今回は野球賭博事件という最悪のイメージダウンが重なった。申し訳ないが、地味で集客力に不安のある2人ではこの空気を覆すパワーが足りない」(前出の記者)
人気面では、江川氏に問題はなかった。ナベツネこと渡邉恒雄・球団最高顧問の言葉が思い返される。2011年に起きた「清武の乱」。当時球団代表兼GMだった清武英利氏が、渡邉氏による人事介入があり、「江川ヘッドコーチ」を提案されたことを暴露した事件だ。清武氏はその時に渡邉氏が語ったとされる発言を明かしている。
「江川なら集客できる。彼は悪名高いが、悪名は無名に勝る」
ただ、渡邉氏はこうも語っていたという。
「彼をヘッドコーチにすれば、次は江川が監督だと江川もファンも期待するだろう。しかし監督にはしない」
やはり江川監督の目は、どう転んでもなかったということなのだろうか。
※週刊ポスト2015年11月6日号