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センター出身監督に活躍傾向 レフト出身の新監督どうなる?

 来シーズンから新たに、高橋由伸氏が巨人、金本知憲氏が阪神、アレックス・ラミレス氏がDeNAの指揮を執る。セ・リーグはヤクルトの真中満監督、広島の緒方孝市監督を含めると、中日の谷繁元信監督を除いて、実に6人中5人が外野手出身の監督になる。

 一昔前まで、「外野手出身監督は大成しない」と言われてきた。試合の当事者になる機会が少ないことや、1球1球プレーを考え、相手の隙を突くような発想を持ちにくい点などが、その理由として指摘されていた。

 その風潮を変えたのは、昨年までソフトバンクの監督を務めた秋山幸二氏だろう。西武時代、1986年まではサードを守っていたが、1987年から俊足、強肩をより生かすためにセンターへコンバートされた。まだメジャーリーグへの門戸が開かれる前、“もっとも大リーグに近い男”と評されるほどの身体能力の高さを生かし、1994年のダイエー移籍後も外野手として活躍。ゴールデングラブ賞を通算11回獲得している。球史に残る名外野手は2009年からソフトバンクの監督に就任し、6年で優勝3回という輝かしい実績を残した。

 この秋山氏を含め、過去に日本一に輝いたセンター出身監督は、2001年の若松勉監督(ヤクルト)、2010年の西村徳文監督(ロッテ)、そして、2011年、2014年の秋山監督(ソフトバンク)の3人しかいない。西村氏もセカンドでベストナインを獲得するほどの内野手だったが、この3人の共通点はセンターでレギュラーだった経験のあることだ。

 かつてある雑誌で、秋山氏はセンターというポジションと監督の関係性をこう話している。

〈監督やったのは、外野をやってたからかなと思う。センターってピッチャーの真後ろでしょう。配球が見えるんだよね(中略)ボールがたまにしか飛んでこなくて暇だからね(笑)
(中略)バッターもバットの出し方だとか、打席でのクセだとかが読めてきて、伊東(勤)のミットの動きに合わせてポジション取りを変えたりもしていた〉

 今年セ・リーグを制したヤクルトの真中満監督、日本ハムで就任1年目の2012年にパ・リーグを制した栗山英樹監督もセンターだったことを考えれば、「外野手出身監督は大成しない」という定説は既に過去のものとなりつつある。同時に最近の傾向を考えれば、センター出身監督の成功する確率は高くなっているとさえ言えるだろう。

 それでは、来季のセ・リーグ新監督の現役時代を振り返ってみよう。高橋監督はライトのイメージが強いが、松井秀喜氏が巨人からヤンキースに移籍した直後の2003年と2006年はセンターとして出場。2004年のアテネ五輪でもセンターを守っていた。

 一方、金本監督とラミレス監督は、センターに固定されたことはなく、レフトが定位置だった。両監督は、センター以外の外野手でも通用するところを見せられるか。

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