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変形学生服「卒ラン」準備始まる 仲間の絆を刻む刺繍が人気

色違いの二色をあわせた対色ランの変形学生服

 まだ11月だが、いまから年度末の準備は始まっている。来年3月の卒業式に向けて特別な変形学生服、通称「卒ラン」製作の注文が増え始め年度末へ向けて忙しくなる。変形学生服を着る中高生の姿はブレザー制服の学校が増えたこともあり減っているが、卒業式を特別な思い出にするための刺繍を施した「卒ラン」人気は健在だ。

 上着の丈が短い短ランや絞った裾にモモ幅が大きいボンタンなど、変形学生服を製造するメーカーが減っているなか独自生産もおこなっているプロス株式会社(岡山県)では、卒ラン繁忙期になると1日で10着もの製作に追われる。同社の担当者は「学生服も新調したうえで卒業刺繍を入れる注文が大半です。刺繍の図柄や混み具合によっては1か月ほどお待ちいただくこともあります」と早めの卒ラン準備をすすめている。

「学生服持ち込みで刺繍のみだと1~2万円から、服を新調する場合は10万円を超えることもあります。そういう場合、若い頃に変形学生服を着ていたご両親が、子どもと一緒に喜んでご購入されていますね。刺繍は『先生、3年間迷惑かけました』『親不孝許した両親に感謝』『お前らはかけがえのない宝物』など恩師や親、友人への感謝や絆を確認する言葉が人気で定番化しています。弊社の場合は文字数と大きさで刺繍の値段が決まります。白と赤の生地でつくった対色ランの人気が高く、他ではパープルが売れていますね。

 お客さまに送っていただいた実際の卒ラン着用写真を見ると、卒業式が終わってから卒ランに着替え、記念撮影をしているようです」

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