ビジネス

マンションバブル崩壊間近 東京の高騰支えた2本柱に揺らぎ

どんなバブルも必ず弾ける?

 昨年のマンション市場は、都心部を中心に高騰する新築分譲価格、中国人の買い漁り報道、そして杭打ち偽装で資産価値下落の実態が話題になるなどしたため、マンション購入をためらった人も多いはずだ。

 では、2016年は「買い時」といえるのだろうか。住宅ジャーナリストの榊淳司氏がズバリ予測する。

 * * *
 2015年、新築マンションの販売は総じて好調だったと言える。また、中古マンションも活発に取引された。価格も上がった。さらに、数千万円から数億円規模も「収益モノ」と言われる1棟売りのアパートやマンション、ビルなどもよく動いた。東京の都心エリアで不動産に関わる業界人にとっては、とんでもないフォローの風が吹いていた、と言える。

 さらに、都市力を高めている福岡や震災復興需要に沸く仙台、「御所バブル」と呼ばれる地域限定の不動産ブームが起きている京都なども、不動産価格が目に見えて上昇した。ただし、地域はかなり限定されるので、私は「局地バブル」と呼んでいる。

 では、2016年はどうだろうか?

 まず、どんなバブルも必ず弾ける時が来る。それは、もしかしたら2016年なのかもしれない。

 この局地バブルが崩壊しそうな予兆はいくつかみられる。それを解説する前に不動産の「バブルとは何か」という定義をしたい。これには、私の知る限り広く社会に認められた言い方や決まりがあるわけではない。

 私は、不動産の取引価格が、グロス利回りにして4%未満にまで上昇したら「バブル」だと考えている。例えば、5000万円のマンションを購入して賃貸に出した場合、得られる賃料から諸々の経費を除いて200万円に達しないと、この5000万円という価格が「バブル化」しているのだ。

 4%ということは、ずっと賃料が入り続けて25年で元が取れる。その時、購入したマンションは少なくとも築25年になっている。

 その25年の間に様々なリスクが生じる。地震や火災はもちろん、入居者が自殺したり殺されたりする可能性もある。おかしな人が借りてゴミ屋敷にしてしまうかもしれない。上階の住人が騒音を出すので、入居者が次々に退去することもあり得る。そういったリスクをすべて背負って、なおかつずっと賃借人がいて4%しか利回りがないのでは、とても健全な投資とは言えない。

 私が考える健全なマンションの価格は、投資利回りがグロスで5%から8%。10%を超えると割安だと思う。5%なら、少々お高い感じだ。しかし、これはモノと場所による。誰もが住みたがる東京の港区青山エリアなら、5%でも買いだ。地方都市の駅から遠いマンションなら、10%でも慎重に考えるべきだ。

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン