国際情報

中国が提出の慰安婦関連史料 性奴隷説が誤りだと明確に示す

毎週ソウルで開催される慰安婦抗議集会 Lee Jae-Won/AFLO

 ユネスコ世界記憶遺産に南京大虐殺関連史料が登録された。来年(2017年)の「慰安婦関連史料」登録阻止のために何をすべきなのか。わが国が直面する課題を考える。

 韓国の「元慰安婦」たちは口々に日本軍の強制連行を訴え“性奴隷”として扱われたと主張するが、その証言は一貫性に欠け、矛盾が多い。米下院の「慰安婦非難決議」で証言台に立った元慰安婦は、連行時の年齢や場所、状況、慰安所の場所すら二転三転する始末だった。

 そもそも慰安婦は戦時下における「公娼」であり、公権力による連行は一切、確認されていない。在韓ジャーナリスト・藤原修平氏が指摘する。

「民間業者に騙され、半ば強制的に慰安婦になった女性が皆無とは言えません。しかし、日本軍による強制連行が事実なら、これまで”被害者”以外の証言がいっさい出てこないのはあまりに不自然です」

 韓国が主張する慰安婦20万人の強制連行が事実ならば、その痕跡が必ずどこかに残っているはずだ。しかし、それを裏付ける史料や第三者による証言は皆無である。

 一方、中国側が2015年にユネスコに提出した慰安婦関連史料は、吉林省档案館(公文書館)所蔵の文献が中心で、その中には旧日本軍が作成した中国国内の慰安所関連史料が多数含まれると見られている。1938年に作成された資料の中には、「韓国人慰安婦が39名、中国人慰安婦が109名いた」という記録もあり、中国はこれらの記録を慰安婦強制動員の“動かぬ証拠”としてユネスコに提出したようだ。

 だが、皮肉なことにその中身は、中韓が主張する「慰安婦=性奴隷」説が誤りであることを明確に示していた。

 たとえば1943年に旧日本軍憲兵が纏めた『日本軍犯罪月報』には、「日本軍将兵が酩酊し慰安婦に暴行を加えた」事件が記されているが、加害者の将兵が憲兵の取り締まりを受けていたことが併記されており、慰安婦が法的に保護されていたことが読み取れる。

※SAPIO2016年2月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン