大きなインパクトを持つマイナス金利はこれまで日本経済に悲観的だった専門家にも衝撃を与えた。マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏が心境を明かす。
「日本は預金量が多いうえ、銀行への悪影響が大きいことから、マイナス金利導入は“禁じ手”とされていたが、それを覆したことに日銀の決意を感じる。今年の株式市場はアベノミクス相場の限界で下げると見ていたが、今回の日銀の決定を受けて株価見通しを修正する必要がある」
今後はさらなる緩和策が採られる可能性もある。黒田総裁は2月3日の講演で「追加緩和の手段に限りはない。日銀は今後とも、金融政策のイノベーションに取り組んでいく」と宣言しているのだ。ケイ・アセット代表の平野憲一氏がいう。
「黒田東彦・総裁はデフレ脱却まで何でもやる意気込みです。中央銀行が頑なな姿勢を貫くことで、疑心暗鬼だった市場心理が好転しそうです。マイナス金利で金利が下がれば、日本企業は今後、多額の資金調達が必要なM&Aを積極的に行なっていけるようになるでしょう。強烈な援軍を得て、日経平均株価は年内に2万5000円まで伸びると見ています」
※週刊ポスト2016年2月19日号