146キロ右腕を預かる大阪桐蔭の西谷浩一監督を直撃するとこんな答えが返ってきた。
「中学時代の実績はあっても入ったら横一線。それに146キロという数字が一人歩きしているのではないでしょうか。足が速く野手としても能力がある子ですが、まだ入学していないんです。“即戦力”みたいにもいわれていますが、そこまでの力はまだないと思っています。他の入学予定者も例年通りです」
冷静な反応に終始したが、他に昨年の「NOMO JAPAN」(野茂英雄総監督)に根尾投手と一緒に選出され、関西の強豪校が争奪戦を繰り広げた滋賀の大型左腕・横川凱投手も加入する。さらに、すでにMAX140キロを超えた豪腕が複数、野手陣では世界少年野球大会に出場したジャパンチームの主将捕手や主砲クラスが揃って入部予定とされる。
この夏、桑田真澄や清原和博(いずれもPL学園)、昨年の清宮幸太郎(早稲田実業)のような、1年から大活躍する“怪物”が生まれても不思議ではない。
●取材・構成/柳川悠二(ノンフィクションライター)
※週刊ポスト2016年3月4日号