国内

99才女性 「100才まで生きたくない」と自殺した裏事情

 3月7日、多くの家庭に明かりが点り、家族揃って夕食の食卓を囲み始める夕暮れ時、神戸市の海岸にひっそりと女性の遺体が打ち上げられた。

 お店もほとんどなく、夕方になると人通りも少なくなる海岸沿い。周囲には街灯がないため、夜には真っ暗になる。穏やかな波が打ち寄せるその場所で亡くなったとみられる女性の年齢は99才。死因は自殺と判明した。警察によると、現場付近の防犯カメラには、その日の午後、女性がひとりで歩く姿が写っていたという。

 99才の女性は、どうして自ら死を選んだのか。

 彼女の名は吉田美代子さん(仮名・享年99)。夫とは死別し、夫婦で暮らした兵庫県内の自宅で長らく1人暮らしをしていた。その住まいを訪れてみると、庭の槙の木もよく剪定されて丁寧な暮らしぶりがうかがえる。

「お子さんが2週に1回くらいは訪ねていらしたし、毎朝8時には電話をしてくれていたそうです。ときどきお子さんがおかずを持ってきてくれると話していましたよ。昨年は、3人のお子さんが白寿のお祝いをしてくれたって。紅葉の名所だっていう京都の永観堂へ、一緒に旅行もしたそうです。お子さんはみなさんご立派に成長されているし、年金もあって、経済的な不安だってなかったはずです」(近所に住む女性)

 ゴミ出しで会えば気さくに挨拶を交わし、上品な印象の女性だった。身長150cmの小柄な体に真っ白なショートカット。おしゃれにも気を使い、近所の人に「今日の服、どうかしら?」と、見せてくれるような一面も。宅食サービスや訪問ヘルパーの利用はあったようだが、健康面でも特に問題はないように見られていた。

「吉田さんは公園でお散歩するのが日課でした。1周400mあるんですが、いつも3周ほどするんです。シャキシャキと歩いていましたよ。自宅との往復を合わせると3~4kmは運動していたんじゃないかしら。歩き終わると、みんなで集まっておしゃべりをしてね。活発で、80代の私たちよりずっと、足腰も丈夫でいらっしゃいましたよ」(公園を歩いていた80代の女性)

 家族仲も良好、お金の不安もなく、健康そのもの。ご近所とのつきあいも活発で、傍目には“幸せな老後”に感じられた美代子さん。しかしその口癖は「100才にはなりたくない」だったという。

「思えば、『100』にすごくこだわっていましたよね。何年も前から、『100までなんて生きたくない』『こんな長生きしてカッコ悪い』と漏らしていたし。“おばあちゃん”なんて呼ぶと、怒られました。デイサービスでは美代子さんの長寿にあやかろうとみなさんに体を触られることもあったようなんですが、嫌がっていましたね」(前出・近所に住む女性)

 長寿で市から表彰されたこともあまり喜ばしそうではなく、周囲が「ギネスブックに載るくらい長生きしてくださいよ」と言っても、困ったように「早く死にたいよ」と答えていたとの証言もあった。

関連記事

トピックス

交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
イエローキャブの筆頭格として活躍したかとうれいこ
【生放送中に寝たことも】かとうれいこが語るイエローキャブ時代 忙しすぎて「移動の車で寝ていた」
NEWSポストセブン
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン