ビジネス

納車待ちの時間が長い人気の国産車はけっこうある

 モテ車を解説する「週刊ポスト」連載の「死ぬまで カーマニア宣言!」。これまでにクルマを40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(54)が、スポーツカーだけでなく普通車にも少なくない納期が長いクルマ、納車を“待たされるクルマ”について解説する。

 * * *
 ご同輩諸君。世の中景気がいいのか悪いのか微妙だが、国内の自動車の売れ行きはイマイチ。販売台数の前年比割れが続いている。

 そんな中、異様に納車待ちの長いクルマも存在する。国産車では、ホンダの軽スポーツカー、S660(198万円~)が筆頭格だ。今年1月にオーダーしたクルマの納車予定が早くて9月。8か月待ちである。しかも現在はオーダーを受け付けておらず、次の受け付けは5月。そこから納車まで最低8か月かかるから、実質約1年以上の待ちになる。

 なぜS660の納車待ちがこれほど長いかというと、人の手と機械を融合させた専用工程を取り入れているため増産が難しく、メーカー側に増産する気もないからだ。

 人は、手に入らないと思うと余計に欲しくなる。レアものの魔力である。仮にS660が大幅増産を決めれば、その瞬間に大量のキャンセルが入るかもしれない。

 かく言う私も昨年S660を購入したが、3月の発表当日に注文を入れ、納車は約3か月後の6月末だった。私より数時間遅れで注文を入れた人は、そのわずかの差で納期が11月になったと聞く。品薄感とはげに恐ろしい。

 こういった少量生産のスポーツカーは、納車待ちが長くなるケースが多い。私の知る限り最も納期が長かったのは、1990年に発表されたホンダのスーパースポーツカーNSXだ。納車待ちは一時4年に及んだと言われる。といっても間もなくバブルが崩壊して注文は続々とキャンセルされ、数年後には月に数台しか売れない状況になってしまったが……。

 現在最も納車待ちが長いクルマは、ランボルギーニの旗艦、アヴェンタドール(4317万円~)ではないだろうか。納車待ちは約2年。あまりに納期が長いため、待ちきれない富裕層はとりあえず下位モデルのウラカン(2750万円~)を買い、アヴェンタドールが来るまでのつなぎにしている。と言ってもウラカンも1年半待つのだが。

 カーマニアの憧れ、ポルシェも結構待たされる。ディーラーに新車を買いに行けば、高額車だけに下にも置かない扱いをしてもらえるかと思いきや、「納車は早くて半年後になります」と、冷たく宣告されてしまう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン