現在、カサノバは、都内で夫と1匹のイングリッシュコッカースパニエル、2匹のベンガルネコ(マレーシア在住時に飼い始めた珍しいネコ)と暮らしているが、アメリカには離れて暮らす子供や孫たちがいる。

「家族と過ごす時間を大切にしたいといつも思っているの。でも仕事に終わりはありません。忙しすぎると仕事とプライベートのバランスがおかしくなるときもあります。そんなときは主人が気遣って『働きすぎじゃないか』『休んだ方がいいよ』と声をかけてくれるんです」

 野性的で勇敢なイメージの「カウボーイ」で有名なテキサス出身の夫は、カサノバいわく、「東京で彼よりもおいしいメキシコ料理を作れる人はいない」ほどの料理の腕前。

 来日してからは日本料理を熱心に研究し、牛丼やみそ汁を妻に振る舞う。ときにはいわしのつみれ汁などの凝った料理にも挑戦するらしい。彼の手料理でおいしいものは、と尋ねると、「おいしくないものを探す方が難しいわ」と笑う。

 一方で、カサノバは、時間ができると思い出の母の味の再現にチャレンジしている。スパゲティ、ミートボール、ラザニア、そしてピクルス…とくにピクルスは、都内の自宅の家庭菜園で育てた野菜から作るほどの凝りようだ。現在はきゅうり、トマト、パプリカを育てているという。

「カナダの実家にも家庭菜園があったから、子供の頃から土いじりは慣れているの。土を触っていると気分が落ち着いてリラックスできるし、何よりも大きく育った野菜を見るのが楽しみ。でもね、母の味を出すのが本当に難しい。レシピ通りに作っているんだけど、母と同じ味にはなかなかならないのよ」

「家族との時間を大切にしたい」と語るカサノバは、仕事が残っていたとしても残業はせずに家に持ち帰る。社長が残っていたら社員たちも帰宅しにくくなり、家族との時間を過ごせなくなるかもしれないと考えるからだ。

 マクドナルド・コミュニケーション本部の河南順一は笑う。

「夜になると『そろそろみんな帰りましょう』とサラがオフィスを回るんですよ。いつも遅くまで残っている社員には、ドアの前に立って『みなさん知ってますか? こっちが帰り道ですよ』なんてジョークを言っていますね」

 カサノバ自身は日本での生活を満喫しているようだ。

「Cool! 最高に格好いい。本当に大好きなの」

 興奮気味にそう話すほどハマっているのが、ニホンザル。温泉につかるサルで有名な長野県の地獄谷野猿公苑では9時から16時までサルが入る温泉をライブカメラで撮影し、動画を配信している。サルが何頭入浴しているか、インターネットでチェックするのが日課である。また夫婦で朝稽古を見学するほどの好角家でもある。

「力士によって得意技が違うでしょ。主人は技の名前を覚えるほど好きになりました。私は魁皇関と白鵬関のファン。魁皇関はもう引退してしまってホントに残念よ」

※女性セブン2016年5月5日号

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