芸能

『ザ・ベストテン』秘話 井上陽水は法事で欠席した

 久米宏と黒柳徹子の司会で、1978年1月にスタートした歌番組『ザ・ベストテン』(TBS系)。お茶の間に浸透し、驚異的な視聴率を叩き出した。

 長きにわたって音楽シーンを牽引していく歌手たちが綺羅星のごとく並んだ1981年9月17日、番組は歴代の最高平均視聴率41.9%を記録した。その伝説の番組の、今だから言える裏話を紹介する。

●西田敏行を入れて3人司会?
 黒柳徹子と当時TBSアナウンサーだった久米宏との軽妙なやりとりが話題を呼んだが、実は番組立ち上げ時、西田敏行を加えた3人で司会をする構想があった。黒柳と西田が場を盛り上げ、久米が進行を担当する予定だった。しかし、オファーはしたものの結果的に西田のスケジュールが合わず、その話はなくなったという。

●アルフィーのサプライズが不発
 1984年に、THE ALFEEがランクインした『恋人達のペイヴメント』で出演。そのとき、ファンの自宅をサプライズで訪問する企画が進められた。「でも、当日、ファンの自宅に行ってみると、留守。仕方なく家の前で中継すると、カラオケテープがよれよれで音がうまく出ず、歌いづらくなるというダブルハプニングだったそうです」(元プロデューサー・齋藤薫さん)。

●「法事」を理由に辞退した井上陽水
 出演辞退するニューミュージックの歌手が多かったが、井上陽水は1度だけ出演している。プロデューサーだった故・山田修爾さんは以前、本誌の取材にこう語っていた。「井上さんには何度も交渉して、1984年11月に『いっそセレナーデ』でランクインした時に、ようやく出演してくれました。翌週も出てもらえると思ったら、辞退されてしまって。その理由が『法事のため』。陽水さんの真骨頂だと思いましたね」。

●松山千春のトークで百恵歌えず
 松山千春も出演したニューミュージックの歌手のひとり。『季節の中で』で“最初で最後の出演”という約束で、北海道旭川のコンサート会場から生中継での出演となった。当初の予定では冒頭3分間のMCの予定だったが、松山は8分間、しゃべり続けた。結果、その日1位だった山口百恵さんは歌を披露する時間がなくなってしまった。

【データ】
放送局:TBS系
放送期間:1978年1月~1989年9月
放送回数:603回
主な司会者:黒柳徹子、久米宏、小西博之、松下賢次、渡辺正行 最高視聴率:41.9%(1981年9月17日)

【最終回のベストテン(1989年 9月28日放送)】
1:黄砂に吹かれて 工藤静香
2:太陽がいっぱい 光GENJI
3:リゾ・ラバ 爆風スランプ
4:GLORIA ZIGGY
5:世界でいちばん熱い夏 プリンセス プリンセス
6:淋しい熱帯魚 Wink
7:ドリームラッシュ 宮沢りえ
8:シングル・アゲイン 竹内まりや
9:MISTY~微妙に~ 氷室京介
10:VIRGIN EYES 中山美穂

※女性セブン2016年6月16日号

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン