芸能

星野源、ピエール瀧ら 音楽界で活躍しながら俳優業進むワケ 

俳優としても活躍する星野源

 ミュージシャン系の俳優が絶好調だ。全国ツアーは10万人を動員、アルバムも35万枚のセールスを記録した歌手・星野源。NHK大河ドラマ『真田丸』に、7月17日の放送から2代目将軍・徳川秀忠として登場する。

 歌手活動20年を迎えた去年、デビュー時以来のハードなプロモーションを行った及川光博。今朝6月18日から、いよいよ役者として朝ドラに初出演。『とと姉ちゃん』に、ヒロイン・小橋常子(高畑充希)のその後の人生に大きく関わる編集者・五反田一郎役で登場した。

 その『とと姉ちゃん』に出ているピエール瀧。「電気グルーヴ」のフロントマンでもある彼はこの6月末から年末にかけて、『日本で一番悪い奴ら』『シン・ゴジラ』『怒り』『海賊とよばれた男』と、4本の映画に立て続けに顔を出す。

 人気バンド「在日ファンク」のボーカルで、同じく『とと姉ちゃん』で板前役を好演している、俳優・浜野謙太。7月から始まる月9ドラマ『好きな人がいること』(フジテレビ系)にも出演することが決定している。 

 ミュージシャンとしても独自の地位を築く一方、演技の世界にも積極的に進む彼らの原動力はどこにあるのだろうか?

 星野源が初めて人前で演技したのは中1のとき。与えられたたった一言のセリフ「掃除しろ!」を大声で発した瞬間、それまでの鬱屈した自分から抜け出せると思ったという。《『星野くんに役者の才能はないよ』と言われ続けてきました。でもやるんです。好きだから》(『働く男』文春文庫より)。こうした旺盛な「欲」が、今も彼を駆り立てる。

 浜野謙太もそれは同じだ。webのインタビューでこう語っている。「一時期は、どちらかに決めないといけないと考えていたんですが、中途半端と言われても自分は2つやるんだと決めたんです」。
 
《現場は社会科見学に行っている》と、対談本(大宮エリー著『エリーの部屋 うさぎ篇』幻冬舎より)で語っていたのはピエール瀧だ。《普段見たことがない機材とかをいっぱい見たりするわけじゃないですか。『照明さんがでっかいライト持ってんなー』とか》(同書より)。電気グルーヴの映像作品も手がける彼にとって、撮影現場は格好の勉強材料なのかもしれない。それでもオファーが切れないと言うことは結果を出しているということだ。3年前の映画『凶悪』で演じた元暴力団組長の死刑囚役が印象的だった。

 緻密な人生設計を描いているのが及川光博だ。歌手デビュー後、マツモトキヨシのCMがきっかけでブレイクし、1998年『WITH LOVE』(フジテレビ系)でドラマ初出演。そのときの雑誌インタビュー(『日経エンタテインメント!』1998年5月号)でアーティスト以外の活動についてこう語っている。

「音楽はライフワークだからね。生涯音楽を中心に活動していくけれども、CM出演とかは素材としての自分を再確認したり、表現力をパワーアップするためにも大事なんですよ」

 その時々の自分の見え方、魅せ方とのバランスを図りながら、時に映像の世界にシフトし、時に歌手活動にギアを入れる。芝居をするときは素の自分は楽屋に置いていくにせよ、及川にとっては、どちらも表現。「表現家」の肩書きがしっくりくる。

 ただ、それぞれ「志」を持っていても、誰かが引き上げてくれないと前に進めない。

 その点、星野源は音楽活動も並行して行うことを許してくれた芸能事務所『劇団大人計画』に所属したこと、そして同所属の宮藤官九郎脚本・監督の『少年メリケンサック』、同氏脚本の『タイガー&ドラゴン』(TBS系)『11人もいる!』(テレビ朝日系)に出演し、顔を知られるようになったことも大きい。
 
 ピエール瀧は先に挙げた映画『凶悪』の白石和彌監督をはじめ、業界人に電気グルーヴのファンが多かったことも大きいだろう。ちなみに白石監督は最新作『日本で一番悪い奴ら』でもピエールにオファーしている。
 
 及川光博をドラマに初めて出演させた喜多麗子プロデューサーは「彼のあふれる才能をドラマで表現したかった」と、また演出した本間欧彦ディレクターは「マツキヨのCMを見てこれだと思った」といずれも雑誌で語っている。

 浜野謙太は、スペースシャワーTVで人気だった音楽バラエティー番組『スペシャボーイズ』でのキャラクターを買われ、2006年、映画『ハチミツとクローバー』に役者業としての一歩を踏み出している。

 つまりいずれの4人も、出会い運に長けているのだろう。もちろん、人をなぜか引き寄せる吸引力も持っている。

 ピエール瀧がいつになく真面目に語っている。「自分がやりたいことよりも、人から頼まれたりすることをやっているうちに、知らない自分に気づけるんですよね」(『BIG TOMORROW』2014年2月号)

 音楽だから、芝居だからと区別することなく、自分を高めてくれるものであれば好き嫌いなく受ける。そんな両輪での活動が、彼らに良い作用をもたらすのかもしれない。

(文/内堀隆史 放送作家・ライター。『誰だって波瀾爆笑』(日本テレビ系)など)

関連記事

トピックス

2025年11月、ホーコン王太子とメッテ=マリット妃
《彼女は17歳だよ。きっと楽しいと思う》ノルウェー王室激震、エプスタイン元被告と次期王妃の“黒塗り”メール――息子マリウスは“性的暴行”裁判渦中 
NEWSポストセブン
現地では大きな問題に(時事通信フォト)
《トゥクトゥク後部座席での行為にタイ現地の人々が激怒》フランス人観光客の“公開露出”に目撃者は「丸見えだった」 入国ブラックリストに
NEWSポストセブン
父・落合信彦氏の葬儀で喪主を務めた落合陽一氏
「落合信彦の息子という記述を消し続ける時代があった」落合陽一氏が明かした、父について語り始めた理由“人の真価は亡くなった時に分かる”【インタビュー】
NEWSポストセブン
本来であれば、このオフは完成した別荘で過ごせるはずだった大谷翔平(写真/アフロ)
《大谷翔平のハワイ訴訟問題》原告は徹底抗戦、大谷サイドの棄却申し立てに証拠開示を要求 大谷の“ギャラなどの契約内容”“資産運用の内幕”が晒される可能性も浮上 
女性セブン
表舞台から姿を消して約1年が経つ中居正広
《キャップ脱いだ白髪交じりの黒髪に…》「引退」語った中居正広氏、水面下で応じていた滝沢秀明氏からの“特別オファー” 
NEWSポストセブン
菅直人・元首相(時事通信)
《認知症公表の菅直人・元総理の現在》「俺は全然変わってないんだよ」本人が語った“現在の生活” 昼から瓶ビール、夜は夫婦で芋焼酎4合の生活「お酒が飲める病気でよかった」
NEWSポストセブン
弾圧されるウイグルの人々(日本ウイグル協会提供)
【中国・ウイグル問題】「子宮内避妊具を装着」「強制的に卵管を縛る…」中国共産党が推進する同化政策・強制不妊の実態とは…日本ウイグル協会・会長が訴え
NEWSポストセブン
大場克則さん(61)(撮影/山口比佐夫)
《JC・JK流行語大賞は61歳》SNSでバズる“江戸走り”大場さんの正体は、元大手企業勤務の“ガチ技術者”だった
NEWSポストセブン
中村獅童と竹内結子さん(時事通信フォト)
《一日として忘れたことはありません》中村獅童、歌舞伎役者にならなかった「竹内結子さんとの愛息」への想い【博多座で親子共演】
NEWSポストセブン
週末にA子さんのマンションに通う垂秀夫氏
垂秀夫・前駐中国大使が中国出身女性と“二重生活”疑惑 女性は「ただの友達」と説明も、子供を含む3ショット写真が本物であることは否定せず 現役外交官時代からの関係か
週刊ポスト
青木淳子被告(66)が日記に綴っていたという齋藤受刑者(52)との夜の情事を語ったのはなぜなのか
《不倫情事日記を法廷で読み上げ》「今日は恥ずかしいです」共謀男性社長(52)との愛人関係をあえて主張した青木淳子被告(66)が見せていた“羞恥の表情”【住職練炭殺人・懲役25年】
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長も流出の被害にあった過去が(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長の誕生日会》かつては「ご祝儀1億円」の時代も…元“極道の妻”が語る代替わりのXデー