これまで妊娠・出産は“乳がんのリスクを下げる”といわれてきた。そんな状況の中で、もし乳がんが進行していたとしても、それに気がつくのは難しいことだろう。麻央と海老蔵は、そのことを女性に気づかせてくれた。土井先生は、妊娠初期に一度検診を受けることを勧めている。

「妊娠した直後ならば乳房はまだそれほど硬くない。妊娠がわかったら早い段階で一度助産師さんや婦人科の先生に触診してもらい、エコーで診てもらっておくと安心です」

 妊娠中も授乳中も、検診を受けることはできる。妊娠中でも授乳中でも硬いしこりがあったら病院に行くことが重要だ。腫瘍など、別の病気である可能性も否定できない。おかしいと思ったとき受診することが重要なのだ。

 一方で、こんな声もある。

「よくテレビで自分の胸の変化に気づいたりしこりに気づいたら病院に行ってくださいって言いますが、そんなに自分の胸をしょっちゅう見ているわけじゃないですし、ましてや触ることなんて授乳していた時と下着をつける時ぐらい。しこりがあるかなんて私たち素人にわかるのかなって思います」(39才・会社員)

 そもそも“しこり”はどんな感触なんだろう。

「こぶしを握ってみてください。骨(指の付け根の骨)が出っ張り、その骨を指の腹で触るとゴロゴロした感触がありますよね。がんはそのくらいの硬さです。直接指の腹で触っていると硬さがよくわかりますが、がんの上には正常な乳腺がかぶさり、その上に脂肪と皮膚があります。セルフチェックのときに探したいしこりの感触は、タオル2枚を4つ折りしたものをこぶしの上にのせて触った感じです。少し難しいかもしれませんが、指の腹を使って、そういうものを探す意識でしこりがないか探してください」(土井先生)

※女性セブン2016年7月7日号

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