国内

公園を保育所にする杉並区に「通勤時間を30分伸ばせばいい」

定員120名の保育所が建設される予定の向井公園

 安倍政権が「待機児童ゼロ」を目指すのは2017年度末。一方、杉並区が目指すのは2017年4月。杉並区は国に1年先駆けたゼロ達成を掲げている。杉並区は昨年度、新たに13か所の認可保育所の設立を目指していたが、実現したのは約半分の7か所だけ。

 保育所として利用する区有地のうち、4か所は公園だ。杉並区が打ち出したその方針が、住民の思いもよらぬ猛反発を生んでいる。

 その1つ、5月29日に行われた久我山東原公園に関する住民向け説明会は紛糾した。区の計画は久我山東原公園のおよそ3分の1にあたるスペースを保育所にするというもので、住民たちは次々に反対の声を上げた。

「子供たちから公園を取り上げるのはむごいこと」
「2750名の(反対)署名が集まった」

 賛成する母親の声が反対する住民の声でかき消される様子などがテレビで報じられると、ネットなどには「自分たちの都合しか考えないエゴイズムの塊」「醜い」と住民たちを批判する声があふれた。逆に区には全国から応援の電話があったという。

 それは久我山東原公園だけではない。そこから北へ6kmほど離れた向井公園(写真)には、定員120名の保育所が建設される予定だ。閑静な住宅街にある緑豊かなこの公園は、近所の子供たちの遊び場になっている。隣接した住宅には「こわさないで ぼくらの向井公園」と記された横断幕が掲げられていた。

 近隣住民の1人が語る。

「この辺りで、子供がボール遊びができるのはここだけです。近くに小学校の校庭がありますが、そこは常に開放されているわけではありません。遊び場がなくなってしまうのは、子供たちが不憫です」

 では、公園以外ならいいのか、といえば決してそうではない。6月5日夕方、杉並区立天沼中学校の教室の一室で保育所整備に関する住民向け説明会が開かれた。前述した久我山東原公園に関する説明会から1週間後とあって、大きな注目を集めた。

関連キーワード

トピックス

2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
出席予定だったイベントを次々とキャンセルしている米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子が“ガサ入れ”後の沈黙を破る》更新したファンクラブのインスタに“復帰”見込まれる「メッセージ」と「画像」
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
中国で延々と続く“高市降ろし”の反日攻勢にどう対抗するか? 「解決策のカギの1つは公明党が握っている」、大前研一氏の分析と提言
中国で延々と続く“高市降ろし”の反日攻勢にどう対抗するか? 「解決策のカギの1つは公明党が握っている」、大前研一氏の分析と提言
マネーポストWEB