◆処分は5人だけ
この最終報告書を踏まえて今年2月、OSZの幹部5人に対して処分が下ったが、解職(解雇ではない)が2名、出勤停止2日間が1名、譴責が2名でしかない(処分は非公表)。「適切な決裁手続きを経ず、取引先に不適切な支払いを行い、会社に損害を与えた。不適切な会計処理をした」というのが処分理由だが、実は「適切な決裁手続き」をしないように指示したのが、オリンパス本社の役員らだったことが最終報告書で指摘されている。
そこでは笹宏行社長や三井住友銀行出身の木本泰行前会長、三菱東京UFJ銀行出身の藤塚英明前専務を名指しし、OSZ幹部から在庫問題やコンサル契約について報告を受けた際に、「経営陣が本件決裁を日本ではなく、OCAP(筆者注・アジア地域の子会社を統括する持ち株会社)ですることが望ましいとの発言があったと認識されていた」という。
決裁に本社の役員が関わっていたとなれば、問題が表面化したときに責任を問われかねないため、本体での決裁を避けたと見ることができよう。