新聞記者であれ雑誌記者、テレビ記者であれ、その一年生が先輩から徹底的に叩きこまれることは「情報のウラは必ず取れ」ということである。「ウラ」とは「裏づけ」と言ってもいいし「証拠」と言ってもいいが、人間は嘘をつく動物だし世の中にはデタラメの情報を流すヤツもいる、だから必ず裏づけを取らなければ記事にしてはならないということで、これはジャーナリズムの基本中の基本、イロハのイとも言うべきことだ。
読者の中に、もし自分は素人だが知り合いに記者がいるというような方がいたらぜひ聞いてごらんなさい。この言葉を否定する人間はいないはずだ。
ところが中川社会部長は「侵略→進出という書き換えがあったという証拠になる「原稿本」が入手できなかった(だから誤報を出してしまった)」と堂々と書いているのである。「うちの新聞はウラは取らずに記事を書きます」と公言しているのと同じことだ。
あることないこと証拠も無いのに勝手に書きまくるゴシップ誌と違って、朝日は日本を代表する一流新聞社であるはずだ。世界中の一流のマスコミそれが新聞社であれ通信社であれテレビ局であれ、一記者ならともかく編集幹部がこんなことを書いたら直ちにクビだし、そのマスコミもいっぺんに信用をなくして倒産するだろう。