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「生前退位」報道 宮内庁がNHKに抗議せず事実と各社判断

「生前退位」報道の裏側に何が?

 そのニュースが流れた瞬間、宮内庁記者クラブは騒然となったという。大手紙関係者は「各紙・各局の記者の携帯電話には、本社やキャップからの問い合わせの電話が次々とかかってきて鳴り止まなかった。記者たちは“とにかく事実確認だ!”と庁内で山本信一郎・次長ら幹部を探して駆け回った」とその時の様子を振り返る。

 7月13日、夜7時のトップニュースでNHKが打った“スクープ”──。
〈天皇陛下「生前退位」の意向示される〉

 日本中に激震が走ったが、その内容は冷静に見れば見るほど、よくわからない。

〈天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示されていることがわかりました〉

 一体、誰が天皇の意向を聞き、NHKはなぜ「わかった」のか。ニュースを見る側にとっては、わからないことだらけだ。

〈数年内の譲位を望まれているという〉
〈皇后さまをはじめ皇太子さまや秋篠宮さまも受け入れられているという〉

 情報は具体的でも、発言者のわからない伝聞調が連なっている。その後の推移も奇っ怪だ。

 第一報から数時間のうちに宮内庁の山本次長は、〈宮内庁内で報道陣の取材に応じ、「報道されたような事実は一切ない」と述べた〉(朝日新聞デジタル、13日21時50分配信)と完全否定。その一方で、NHKは初報と同じ内容を夜9時のニュース、11時過ぎの番組でも流し続けた。

 ことは「天皇の意向」という国家の在り方にもかかわる重大事である。それを、NHKは当局が真っ向から否定する中で報じ続けた。

「今回の件はNHKの局内でも、宮内庁キャップや社会部の幹部など、本当にごく限られたメンバーしか知らなかった。政治部の記者たちはニュースが流れる直前になって内容を聞かされたそうです。

 情報源は宮内庁の最高幹部クラスかそれに近い筋だろう。相当の自信がなければこんな報じ方はできないし、実際、宮内庁の対応を見ていても“本気の否定”ではないことがよくわかる」(前出・大手紙関係者)

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