「クリスマス会も七夕集会も、最近ではやっている学校はほとんどありません。理由は『宗教色がある』から。実際に宗教がらみで強いクレームがくることもありますからね」(佐賀県・教育委員会勤務)
父兄参観や父母参観という言葉が消え、「保護者参観」と呼ぶ学校が増えた。
「これなら父親や母親がいない家庭でも大丈夫だし、祖父母も来やすいですから。ただ、参観に来るおじいちゃん、おばあちゃんが多すぎて、教室の後ろに入りきれないという問題も起き始めています」(神奈川県・元小学校校長)
卒業式で問題になるのは日の丸・君が代だけかと思ったら、そうでもない。
「送辞と答辞をなくす学校が増えています。理由は『在校生代表』や『卒業生代表』を決めることが問題だという、妙な平等主義があるから。現在は児童たち一人ひとりが声を出す『呼びかけ』という形に変わっている小学校が多い」(教育評論家・森口朗氏)
ちなみに『蛍の光』や『仰げば尊し』といった歌も、いまや卒業式の「定番」ではないそうだ。
「とくに『仰げば尊し』は、一部の教師たちから『教師が児童より上という考えに則った歌詞だからダメ』という反発があり、20年くらい前から卒業式で歌わなくなった学校が増えました」(森口氏)
いずれ子供たちの辞書から「尊敬」という言葉が消える日が来るかもしれない。
※週刊ポスト2016年8月5日号