ライフ

泌尿器手術で安全性と低コストを実現させたロボット治療

 泌尿器科で扱う臓器は腎臓、腎盂(じんう)・尿管、膀胱などの排尿や副腎といったホルモン分泌、前立腺や精巣など生殖に係わるものである。これらは腸を包む腹膜の後ろ、背中側にあるため、後腹膜臓器(こうふくまくぞうき)と呼ばれる。

 これまで泌尿器の手術は開腹で行なわれていたが、現在は腹部の複数の孔(あな)から行なう低侵襲(ていしんしゅう)の腹腔鏡(ふくくうきょう)手術が普及している。さらに米国製の手術支援ロボット・ダビンチが登場し、3Dで術野を見ながら、関節のある動かしやすい器具で手術が行なわれていて、この手術方法の進化にともないコストが急騰している。
 
 また、腹腔鏡手術やロボット手術はともに、二酸化炭素(CO2)ガスでお腹を大きく膨らませる(気腹、きふく)ので、特に高齢者は合併症のリスクが高まる。そこで解決策として注目されているのが、ロボサージャン・ガスレス・シングルポート手術だ。

 開発した東京医科歯科大学附属病院泌尿器科の木原和徳名誉教授に話を聞いた。

「医師が頭にゴーグル型のヘッドマウントディスプレイを付け、目前のモニターに3Dで拡大された術野や多様な情報が映し出されて手術をできるのが特徴です。単一の孔から腹膜を損傷せずに器具を挿入し、触覚を感じながら手術を行なえます。腹鏡と開腹手術の利点を合わせ、術者自体がロボットのようになるということで、ロボサージャンと名付けました」

 ヘッドマウントディスプレイは、ソニーが映画鑑賞のために開発したものを共同改良した。ディスプレイにセンサーを付け、術者の頭の動きを内視鏡操作ロボットに連動させ、頭の動きで見たい場所を見ることもできる。拡大立体画像や超音波画像なども同時に表示するだけでなく、視線の移動で俯瞰もできる。

関連キーワード

トピックス

真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
優勝11回を果たした曙太郎さん(時事通信フォト)
故・曙太郎さん 史上初の外国出身横綱が角界を去った真相 「結婚で生じた後援会との亀裂」と「“高砂”襲名案への猛反対」
週刊ポスト
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン