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「貧困女子高生」がNHKの取材に応じた経緯

「参加いただいた多くの高校生に同世代の仲間たちの中に困っている人たちがいることを伝えることができ、イベント自体は“うまく伝わった”と高校生も専門家の先生も私たち県の職員も手ごたえを感じていました。NHKのニュースにも取り上げてもらい、広くみなさんに相対的貧困を知ってもらえると期待していたのに、翌日ああいうバッシングになり、一同大変なショックを受けています。イベントは事前にマスコミに告知され、当日は多くの人が取材に来ていました。

 どのように編集しようとNHKがお考えになったかについては、私たちにはわかりません。放映を見たかたがたによって、感じ方、貧困に対する考え方に違いがあったのだと思います」

 小島さんによると、県庁にも直接100件近くの電話・電子メールでの問い合わせがあるそうだ。

「インターネットでは若い人が中心に書き込みをしているようですが、うちに電話してくるかたは、比較的年が上のかたが多いように思えます。例えば高齢の男性から“自分たちの世代では貧しければ進学できないのが当たり前だった。あんなふうにグッズを買ったりするなんてもってのほか。彼女は恵まれている部類なのでは…”というご意見もありました」(小島さん)

 今回の一件についてNHKに尋ねたが、以下、文書での回答のみだった。

《このニュースは、食べるものがないというレベルの貧困ではなくても、経済的困窮によって、高校生が希望する進路をあきらめざるをえない現実があるということを、当事者の高校生自身が、神奈川県が主催するフォーラムで語ったということを中心にお伝えしたものです。取材の過程や個別の対応についてはお答えしていませんが、放送内容は、すべて事実に基づくものです》

 取材対象を選んだ基準や、今回の炎上をどうとらえているのかに関して質問したが、いずれもノーコメントだった。

 関係者に取材を進めると、NHKは5月の貧困対策会議発足から少なくとも3回は取材を続けていた。A子さんは、自宅を公開することに抵抗はあったけれども、NHK側の希望と、本人の貧困を少しでも理解してほしいという思いで、自宅での取材を承諾したのだという。

※女性セブン2016年9月22日号

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