芸能

戸越銀座商店街がTVロケで多用のワケ 「使える率高い」評

テレビロケで多用される戸越銀座商店街

 情報番組などのロケ地としてお馴染みの、戸越銀座商店街(東京・品川区)。他にもたくさんの商店街があるのに、なぜこの戸越銀座商店街がロケで繰り返し使われているのか。

 その理由を元テレビプロデューサーで上智大学教授(メディア論)の碓井広義さんはこう語る。

「簡単に言ってしまえば、『テレビが来るからテレビが来る』のでしょうね。番組作りで忙しいテレビマンたちは、一次情報を取ってくる時間がありません。そのためどこかの局の企画が一つ当たると、他もそれに追随するといった共振作用が起こりやすいのです」(碓井さん・以下、「」内同)

 では、なぜ戸越銀座商店街で視聴率が取れるのか?

「最大の理由はその“商店街力”にあるといえます。戸越銀座商店街にはファッション、グルメ、雑貨など、情報番組を観る女性が好きなお店が何でも揃っていて、『戸越銀座温泉』という天然温泉まであります。ここまで来ると、もはや『小さなレジャースポット』と言っても差し支えないくらいです。ネタの引き出しが多く、視聴者の興味を引く企画を立てやすいことが、視聴率につながっているのかもしれません」

 全長約1.3kmの長さを誇る戸越銀座商店街の通り沿いには、約400もの店舗が並んでいる。そこには平日でも1万人以上の人が訪れているという。「いつでも人がいる」というのは、街頭インタビューをするのに好都合だ。

 おまけにテレビ局の多い港区から車ですぐに行けるという立地条件も、ロケ地に選ばれやすい理由の一つ。撮った日にそのまま流せるため、制作側の都合からいえば、「困ったときの戸越銀座」とも言える商店街だという。

 ここで取れるコメントは「使える率」も高いと碓井さんは指摘する。

「戸越銀座はよその人たちが観光で押し掛けるような場所ではなく、住んでいる人たちが行き交う街なので、生活者の生の声を聞くことができます。気取った感じの人は歩いていないし、べらんめい調が聞こえてくるわけでもない。それなりに知的でセンスのある中庸な人たちが多い町なので、ほかの商店街と同じ取材量でも使えるものが多いのです。

 浅草や上野が江戸情緒の残る下町だとすれば、戸越銀座は昭和っぽさの残る東京。B級グルメブームが来る前からずっと、そこには本物の庶民が味わう安くておいしいグルメがあります。定番のコロッケなんかはそうですね。私の敬愛する作家・池波正太郎さんもこの町に住んでいました。エッセイには『ブルドック』という洋食屋が何度も登場しています。そういった文化の香りを残す街でもあります」

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
国内統計史上最高気温となる41.8度を観測した群馬県伊勢崎市。写真は42度を示す伊勢崎駅前の温度計。8月5日(時事通信フォト)
《猛暑を喜ぶ人たちと嘆く人たち》「観測史上最高気温」の地では観光客増加への期待 ”お年寄りの原宿”では衣料品店が頭を抱える、立地により”格差”が出ているショッピングモールも
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
二階堂ふみとメイプル超合金・カズレーザーが結婚
二階堂ふみ&カズレーザーは“推し婚”ではなく“押し婚”、山田美保子さんが分析 沖縄県出身女性芸能人との共通点も
女性セブン
山下美夢有(左)の弟・勝将は昨年の男子プロテストを通過
《山下美夢有が全英女子オープンで初優勝》弟・勝将は男子ゴルフ界のホープで “姉以上”の期待度 「身長162cmと小柄だが海外勢にもパワー負けしていない」の評価
週刊ポスト
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン