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人工呼吸器つけて会話 医師「フィクションの世界の話」

ドラマでよく見るシーンも現実は?

 長らく日本人の3大死因といわれてきたのが「がん」「心臓病」「脳卒中」だが、近年そこに割って入ってきたのが「肺炎」だ。厚生労働省が9月8日に公表した2015年の人口動態統計(確定数)によれば、肺炎は日本人の死因の第3位に入っている。

 肺炎が重篤化すると、自己呼吸で酸素を取り入れることが難しくなるので、患者には人工呼吸器が装着される。人工呼吸器をつけて横たわる入院患者が、駆けつけた家族に微笑みかけながら会話を交わす―テレビドラマなどで目にするシーンだが、秋津医院の秋津壽男氏は「フィクションの世界の話」と語る。

「人工呼吸器は敏感な気管の中に太いパイプを挿入して強制的に酸素を送り込みます。一見、つければ呼吸が楽になると思われがちですが、実は意識がある状態では、異物を体内に差し込まれて、余計に苦しく感じることが多いのです。そのため人工呼吸器をつける場合は、睡眠剤や精神安定剤を点滴で入れて、あえて意識のレベルを落とすことが少なくありません」

 今後ますます肺炎死の増加が懸念されるだけに、予防の取り組みが急務だ。医療法人社団「こころとからだの元氣プラザ」名誉所長で内科医の高築勝義氏はこういう。

「高齢者の場合、インフルエンザをこじらせたり、肺炎球菌による発症例が多いので、65歳からは肺炎球菌ワクチンを5年ごとに、インフルエンザワクチンは毎年接種する、といった心がけが肝心です」

 予防策を怠らないことが「苦しまない死に方」につながる。

※週刊ポスト2016年9月30日号

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