国内

末期がんでも在宅で痛みから解放される「夜間セデーション」

在宅医療は病院よりも長生きできる?

 今夏厚生労働省が公表した全国平均の統計統計によると、死亡者全体のうち死亡場所が「病院」「診療所」などが77.3%と圧倒的に多く、「自宅」はわずか12.8%その差は実に5倍となっている。

 住み慣れたわが家で治療を受けながら、そのときを迎えるという、多くの人が望む理想の最期。在宅医療を望み、患者が自宅に帰った後はどんな生活が待っているのか。

 岐阜市にある小笠原内科の小笠原文雄院長は現在、在宅医療で約150人の患者を受け持っている。24時間体制で在宅医療を行う小笠原内科は、併設の「小笠原訪問看護ステーション・介護支援サービス」と連携し、寝たきりに近く通院が困難な患者や、老衰や末期がんなどで自宅での看取りを希望する患者に往診や訪問看護を行う。

 小笠原内科のスタッフは小笠原さん含めて医師6名、看護師2名、臨床検査技師1名、管理栄養士1名、秘書&事務3名の計13名。小笠原訪問看護ステーション・介護支援サービスの訪問看護師14名、言語聴覚士1名、ケアマネジャー5名(兼任3名)と連携して在宅医療を行う。

 特徴的なのは、「トータルヘルスプランナー」(以下、THP)と呼ばれる独自のスタッフがいることだ。

「医療、看護、介護福祉、保健などの深い知識を持ち、在宅医療にかかわるスタッフを統括する司令塔です。患者の様態を見抜いて、医師には薬の処方、ケアマネジャーには介護道具の準備などを指示し、家族のケアまで担当します。常に先手を打つことが大切な在宅医療において、先の読めるTHPは欠かせない存在です」(小笠原さん)

 多職種連携・協働・協調+介入のキーパーソンであるTHPは国家資格ではなく、小笠原さんの母校・名古屋大学や、日本在宅ホスピス協会で育成・認定している。小笠原内科では、訪問看護師がTHPとして活躍する。

 通常の往診は担当医、ケアマネジャー、看護師の3者で行うが、症状によっては3~4名の医師が同行する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン