「先輩社員たちには“オレができたことをお前ら若い連中はなぜできないんだ”という思想が蔓延している。電通マンにとって“朝まで接待で飲んで吐いて、そのまま会社でプレゼン”が日常風景で、そんな地獄の日々を生き残った一部の社員が上司になり、下にもそれを強要する。“オレが新入社員の頃はもっと酷かった”と言って、さらに追い込むのです」

 しかも高橋さんは、こうした過重労働やパワハラの“被害”を受けやすい立場にあったという。

「電通には大手企業幹部の子息や中堅オーナー企業の跡継ぎが多い。それはその企業から広告を取りやすくするためで、有力者の子供を入社させること自体が“営業活動の一環”といえる。親の七光りで入ったボンボンたちは仕事ができないことが多い」(社員)

 上司たちが彼らに過酷な残業をさせたり、パワハラで追いこんだりすることはほとんどないという。

「親に告げ口されると大変なことになるので、働かせすぎないし、厳しく指導もしない。でも、誰かが仕事をしなければいけないから、そのしわ寄せは“有力者の家柄”ではなく、実力で厳しい採用試験を通ってきた一般家庭出身の社員にいく。結局、一部の人が何倍も働くことになるんです」(別の社員)

 高橋さんは彼女が中学の時に両親が離婚し、母親に女手ひとつで育てられた。

「彼女は“お母さんを楽にしてあげたい”という一心で勉強に励み、東大に進学しました。東大でも成績は優秀で、すごくできる人だった」(知人)

※女性セブン2016年11月3日号

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