昨秋のプレミア12の準決勝・韓国戦では、先発・大谷が7回を1安打無失点と完璧な仕事をしたものの、救援陣が総崩れして9回に3点差をひっくり返された。
「その悪夢が念頭にあってか、権藤コーチは“抑えを誰にするか。考えているのはそこだけ”“三振が取れるピッチャーでないといけない”といった発言を繰り返しています」(同前)
たしかに、ソフトバンクとのCS第5戦の9回、大谷がマウンドに上がっただけで相手ベンチにも“諦めムード”が漂った。その圧倒的な存在感が侍ジャパンでも再現されるのか。権藤氏に直接聞いた。
「CSで抑えとして完璧な仕事をしたのを見て、大谷はオールマイティだと改めてわかった。素晴らしいです。私は、“クローザーとして使える”という確信を持ちましたよ。今季に限れば、12球団の日本人抑え投手を見渡してもピリッとしたのがいなかった。まだ決まっていませんが、大谷は有力候補のひとりです」
予選では先発投手、決勝トーナメントに入ってからは完璧な火消し役、そしてDHとして打席に入る──そんな“大谷祭り”のWBCになるのか。あとは小久保監督の決断しだいだ。
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2016年11月4日号