「人気選手でカレンダーを作っていきたいのはやまやまですが、かといって戦力編成は現場優先ですし、人気があるからといって若い選手を特別扱いすると、チームの不協和音の原因にもなる。頭の痛いことは多いですよ」(野崎氏)
そして、「FA戦線の結果を反映できない」という悩みもある。ただ野崎氏はむしろ、そうした進行スケジュールだからこそ“カレンダーを逆に移籍交渉の材料に使う”ケースもあると証言する。
「どのチームも開幕の『4月』にはスター選手をあてるケースが多い。どこまで効果があるかわかりませんが、FA移籍の可能性がある選手には事前にカレンダーの見本を見せ、“おまえは『4月の顔』だと思っている”と誠意を伝える材料にできる」
今オフでいえば、オリックスが残留説得のために、あえて「4月に(FA流出もあり得る)糸井嘉男」というカレンダーを製作する可能性があるということだ(ちなみに今年のカレンダーでは糸井は「3月」)。ファンにとっては、そのあたりを深読みしながら、発売後の商品を見ていくのが楽しみとなる。
「『4月』を誰にするかは本当に難しい。タイガースの場合、今年はキャプテンの鳥谷敬(35)を持ってきましたが、今シーズンの成績(打率.236、7本塁打、36打点)からどう判断するかですねぇ……」(野崎氏)
※週刊ポスト2016年11月11日号