芸能

里見まさと 亀山房代の死と新生ザ・ぼんちを語る

ザ・ぼんちの里見まさと

 ノンフィクション作家・上原善広氏が、かつて漫才ブームで頂点を極めた後に解散、そして復活した漫才コンビ「ザ・ぼんち」の里見まさと(64)の人生に迫った。

 * * *
 里見まさとは1952年、兵庫県姫路市に生まれた。

「ほんまはプロ野球選手になりたくてね、少年の頃からずっと野球ばっかり。だけど高校になるともう、こらレベルが違うなと思い知らされました。かといってサラリーマンになって決まったレールに乗るのも嫌。そんなときに読んだ週刊誌で、西川きよしさんが『二十歳で家建てた』っていう記事を偶然読んで、こら漫才しかないなあ思て」

 やすきよ漫才が、まだ全国区でない若手の頃の話だ。これなら自分でもいけるのではないかと高校卒業後の1971年、18歳でタイヘイトリオに弟子入り、お笑いの世界に飛び込んだ。師匠には「まあ、いつまでつづくかわからへんけど、明日から来てみいな」と言われた。

 当時の楽屋はまだしきたりなどが厳しく、吉本の若手漫才師も四人しかいないような時代だ。しかし師匠の「弟子としてついている間は機転の利く子がええ弟子。でも年季があけて舞台に出るようになったら、よう売れるのがええ弟子」という方針もあり、早く舞台に立てるようにしてくれた。そして週一回通っていた漫才師養成所で、高校の同級生だったおさむと再会。1972年11月にコンビを結成。翌年には「ザ・ぼんち」として舞台に立つことになる。

 ザ・ぼんちは、すぐに上方ではそこそこの人気が出て、食うには困らなくなっていた。すると稽古も満足にしなくなり、現状に甘んじてサボることが多くなってきた。「こうなったらアカンで」と言われるほど遊んでいた。

 やがて西川のりお・上方よしお、オール阪神・巨人をはじめ、紳助・竜介などの若手にも瞬く間に抜かれた。同期のB&Bは、「NHK上方漫才コンテスト」で最優秀話術賞を受賞すると、間もなく吉本を辞めて東京に進出していった。MANZAIブームは、もうそこまで来ていた。

 これには負けられないと奮起したザ・ぼんちは、次々に新ネタを開拓、「インタビュー形式」など、相方おさむがより大きくボケることができるネタを生みだした。

 そして1980年。漫才ブームは起こった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
教員ら10名ほどが集まって結成された”盗撮愛好家グループ”とは──(写真左:時事通信フォト)
〈機会があってうらやましいです〉教師約10人参加の“児童盗撮愛好家グループ”の“鬼畜なやりとり”、教育委員会は「(容疑者は)普通の先生」「こういった類いの不祥事は事前に認知が難しい」
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
麻薬密売容疑でマグダレナ・サドロ被告(30)が逮捕された(「ラブ・アイランド」HPより)
ドバイ拠点・麻薬カルテルの美しすぎるブレイン“バービー”に有罪判決、総額103億円のコカイン密売事件「マトリックス作戦」の攻防《英国史上最大の麻薬事件》
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン