芸能

脚本家・遊川和彦氏 「結婚は契約であり、制約」

遊川さんが初監督を手掛けた『恋妻家宮本』(C)2017 『恋妻家宮本』製作委員会

 大学時代に知り合った料理人の男性(30才)と、8年間の交際を経て11月1日に結婚したリオ五輪の柔道・銅メダリストの松本薫選手(29才)。会見で、「結婚は覚悟」と語った彼女にその真意を改めて尋ねると、松本選手は「好きで結婚というのは、あまり理解ができない」と独自の結婚観を語った。

「結婚とは、一生を共にするということ。この人が認知症になったときに、ちゃんと介護できるのか。添い遂げられるのか。そこまで含めて全部受け入れられると覚悟できたときに、初めて『結婚』するんです。私の中では結婚ってそういうものだと思っていて、その覚悟を持つまでに8年かかりました」(松本選手)

 この結婚観に対し、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)をはじめ、数々のドラマで家族や夫婦を描いてきた脚本家・遊川和彦さん(61才)は、

「なかなか松本選手くらい考えているかたって、いないと思います。いや、そんな人いないです。いても1%か2%」

 そう言って笑う。

「結婚って本来そうあるべきだけれど、今の人たちって、覚悟が決められないでしょ? だって、決めなくても、なんとなく結婚できますから。別れるのも簡単ですしね」

 そう話す遊川さん自身も、2014年に20才下の妻と結婚するまで時間がかかった。

「長年独身でいると、ひとりの楽さがわかります。いろんなことが面倒くさいって思うわけじゃないですか。他人同士が一緒になるわけだから、わかりあえるわけがない。それに、相手の親や親戚とか、厄介な人間関係が増えるだけでしょ?

 だからぼくも慎重に10年間つきあって同棲する決心がついて、そこから4年同棲して、やっと結婚する決心がついた。最後は勢いでした。

 独身貴族だった某有名俳優が、家で倒れたとき誰もいないのが不安になったから結婚したとおっしゃってましたけど、そういう男って結構いると思う。妻がいると安心するんですよ」(遊川さん・以下「」内同)

 そんな遊川さんが初監督を務める作品は、阿部寛(52才)と天海祐希(49才)が主演の映画『恋妻家宮本』(2017年1月28日公開)。妻が記入していた1通の離婚届を、夫が偶然見つけたことから、子育てを終えた熟年夫婦に危機が訪れる。そして、口論が始まると、妻は夫に「あなたってさ、結婚に向いてないよねぇ」と決定的な一撃を言い放つ。

「これは、うちの妻もそう思っているでしょうし、自分でも思っています。男ってみんなそうだと思うんですけど、結婚に幻想を抱いてますから、現実がわかっていないんですよね。

 夫婦になると、男女の価値観の違いが浮き彫りになってきます。たとえば、男性は話さなくてもわかると思っているけれど、女性は違って、感情を共有したいんです。女性は湯沸かし器の調子が悪いことにイライラしていたら、同じように夫にもイライラしてほしい。でも男には無理。そんな具合に、どうやってもわかりあえないものなんですよ」

 そんな遊川さんに、結婚の現実を改めて聞くと、「大変デリケートな問題だな…」と、苦笑しながらもこう続けた。

関連記事

トピックス

中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に音楽ユニット「girl next door」の千紗と結婚した結婚した北島康介
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
二階堂ふみとメイプル超合金・カズレーザーが結婚
二階堂ふみ&カズレーザーは“推し婚”ではなく“押し婚”、山田美保子さんが分析 沖縄県出身女性芸能人との共通点も
女性セブン
山下美夢有(左)の弟・勝将は昨年の男子プロテストを通過
《山下美夢有が全英女子オープンで初優勝》弟・勝将は男子ゴルフ界のホープで “姉以上”の期待度 「身長162cmと小柄だが海外勢にもパワー負けしていない」の評価
週刊ポスト
京都成章打線を相手にノーヒットノーランを達成した横浜・松坂大輔
【1998年夏の甲子園決勝】横浜・松坂大輔と投げ合った京都成章・古岡基紀 全試合完投の偉業でも「松坂は同じ星に生まれた投手とは思えなかった」
週刊ポスト
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン