国内

「逃げ恥」「君の名は。」「おそ松さん」共通するモテ男条件

「恋愛に奥手な男性がモテる時代」と品田英雄氏

 昨年は年初から芸能人や政治家の“ゲス不倫”が世間をにぎわせるなど、改めて〈大人の男女関係〉が問われる1年となった。

 だが、「かつてはオジサンでも恋愛経験の豊富な男性がモテましたが、いまはむしろ逆。若い女性に支持される草食系男子の年齢が上がっています」と話すのは、日経BPヒット総合研究所・上席研究員の品田英雄氏。それは昨年大ヒットしたエンターテインメント作品からもうかがえるという。

 * * *
 昨年、一大ブームを巻き起こしたテレビアニメ『おそ松さん』、映画『君の名は。』、そしてドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』──。この3作品は何の共通点もないように見えますが、いずれも女性から人気の高かった男性の登場人物が“恋愛に奥手”で、いわば草食系でした。

 まず、赤塚不二夫の名作漫画『おそ松くん』たちのその後を描き、2015年10月~2016年3月まで放送された『おそ松さん』は、放送終了後もキャラクターを配したグッズなどが主に女性たちの心を掴み、大きな市場をつくりました。

 ヒットの秘密は、20代になった六つ子たちの人生が、現代の若者の共感を呼ぶようなリアルな設定になっていたことです。パチンコと競馬が大好きなおそ松をはじめ、ナルシストのカラ松、真面目でアイドルオタクのチョロ松……。皆ニートで恋愛経験が少なく、ハローワークでナンパするなんてストーリーも受けました。

 興行収入200億円を突破した青春ラブストーリーのアニメ映画『君の名は。』も、ピュアな高校生の日常生活をうまく再現していました。

 ストーリーは高校生の男女が夢の中で入れ替わる非現実的な作品ですが、イタリアンレストランのアルバイト中に同僚の先輩に秘かに好意を寄せる男子高校生の純粋さ、男女の会話がぎこちなく、微妙な距離を保つ高校生特有の恋愛観が幅広い世代からの共感を集めました。

“恋ダンス”の馴染みやすさも重なって高視聴率を叩き出したラブコメディの『逃げ恥』は、草食系男子の人気を裏付ける作品だったといえるでしょう。

 星野源扮する津崎平匡は、これまで恋愛経験がまったくなく、新垣結衣演じる森山みくりと「契約結婚」をするというストーリー。二人の初々しい関係性や駆け引きはもちろん、平匡の清潔感が視聴者の女性たちから「かわいい」「キュンとくる」などと話題を呼び、回を追うごとに、逃げ恥ファンの年齢層も広がっていきました。

 こうしてみると、ひと昔前にあった「恋愛に奥手な男性はイヤだ」という風潮は、いまや男女とも生涯未婚率が上がり、恋愛をしていない人が増えて変わってきた。そして、年齢を問わず草食系が珍しくなくなった──ということなのかもしれません。もちろん、草食系なら誰でもモテるとは思いませんが、自然に感じる人が多いのでしょう。

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン