国内

小池劇場閉幕の理由「アイデアがチープで中途半端」と大前氏

切り崩しは一筋縄ではいかない Rodrigo Reyes Marin/AFLO

 多くの東京都民の支持を得て都知事となった小池百合子氏は、「豊洲移転問題」「五輪会場問題」で大きな注目を浴びた。だが、大前研一氏は「『小池劇場』はもうすぐ幕を閉じる」と予測する。

 * * *
 昨年、大きなムーブメントとなった「小池劇場」は、遠からず幕を閉じるだろう。

 なぜなら、小池知事は「都民ファースト」「東京大改革」というスローガンを掲げているが、細かい議論になると“チープ”なアイデアだけが先行していて、具体的に何をやりたいのか、よくわからないからである。

 たとえば、東京オリンピック・パラリンピック競技会場計画の見直し問題。

 小池知事は、ボートとカヌー・スプリントは「海の森水上競技場」(東京湾岸)の代わりに「長沼ボート場」(宮城県)や「彩湖」(埼玉県)、バレーボールは「有明アリーナ」(江東区)の代わりに「横浜アリーナ」(横浜市)、水泳は「オリンピックアクアティクスセンター」(江東区)の代わりに「東京辰巳国際水泳場」(同)と、いずれもすでに決定していた新設会場ではなく既存施設を活用する案を提示した。

 しかし、結果は3会場とも変更を断念することになった。森喜朗・大会組織委員会会長の“圧勝”である。

 この問題は国際オリンピック委員会(IOC)、東京都、大会組織委員会、政府の4者の合意が必要なのだから、もし本当に計画を翻したいのであれば、圧倒的な代案を出さねばならない。「あちらは300億円だが、こちらは200億円」という程度では優位差にならないのだ。

 バレーボール会場を横浜アリーナに変更するという案も、横浜の林文子市長が難色を示したら、あっという間に消えてしまった。それもこれも小池知事のブレーンやアドバイザーが出してきたアイデアがチープで中途半端だったからである。

 そういうお粗末なブレーンやアドバイザーは“ダメコン”(ダメなコンサルタント)と同じようなものだ。

関連記事

トピックス

今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン
世間を驚かせたメイプル超合金のカズレーザー(41才)と二階堂ふみ(31才)の電撃“推し婚”
【2025年・有名人の結婚&離婚を総決算】何かと平和な「人気男性タレントと一般女性の結婚」、離婚決断が女性からの支持につながった加藤ローサ
女性セブン
米倉涼子
《米倉涼子の自宅マンション前に異変》大手メディアが集結で一体何が…薬物疑惑報道後に更新が止まったファンクラブは継続中
火事が発生したのは今月15日(右:同社HPより)
《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》サウナ閉じ込め、夫婦は覆いかぶさるように…専門家が指摘する月額39万円サウナの“論外な構造”と推奨する自衛手段【赤坂サウナ2人死亡】
NEWSポストセブン
自らを「頂きおじさん」と名乗っていた小野洋平容疑者(右:時事通信フォト。今回の事件とは無関係)
《“一夫多妻男”が10代女性を『イヌ』と呼び監禁》「バールでドアをこじ開けたような跡が…」”頂きおじさん”小野洋平容疑者の「恐怖の部屋」、約100人を盗撮し5000万円売り上げ
NEWSポストセブン
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン
来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン
迷惑行為を行った、自称新入生のアビゲイル・ルッツ(Instagramより)
《注目を浴びて有料サイトに誘導》米ルイジアナ州立大スタジアムで起きた“半裸女”騒動…観客の「暴走」一部始終がSNSで拡散され物議に
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《異なる形の突起物を備えた光沢感あるグローブも…》10代少女らが被害に遭った「エプスタイン事件」公開された新たな写真が示唆する“加害の痕跡”
NEWSポストセブン
「みどりの『わ』交流のつどい」に出席された秋篠宮家の次女、佳子さま(2025年12月15日、撮影/JMPA)
佳子さま、“ヘビロテ”する6万9300円ワンピース 白いジャケットからリボンをのぞかせたフェミニンな装い
NEWSポストセブン
オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン