ビジネス

産休・育休の拡充より在宅勤務整備で人材を繋ぎとめよ

大前研一氏が提言する働き方改革

 欧米の一流企業では、産休・育休期間は給与全額支給が当たり前となっているといい、最近はらさにその制度が拡充されつつある。一方、日本の場合は、産休・育休の期間がとても短いばかりか、大半の企業は産休・育休期間に給与を支給しない例が多い。経営コンサルタントの大前研一氏は、この格差を問題視しつつも、理想の働き方については、さらに先があると指摘する。

 * * *
 私に言わせれば、好きなだけ育休が取得できるという制度も、まだ古い。そもそも「育休」という概念自体が間違いで、企業は育休を増やすよりも子育てをしながら「在宅勤務」ができる制度とシステムを整備すべきだと思うのである。

 なぜなら、インターネット&スマホ革命によって、今や大半のホワイトカラーは、場所を選ばずに仕事ができるようになっているからだ。実際、私自身、インターネットにさえつながっていれば、世界中どこにいても仕事ができている。

 工場のラインや、ホワイトカラーでも営業・販売など顧客・取引先を回ったり現場に常駐していたりしなければ仕事ができない職種に就いている社員が出産・子育てを計画している場合は、1~2年前から在宅勤務ができる職種に配置転換してもらえばよい。たとえば、営業部門には営業支援という職種がある。営業が受注してきた時に書類作成をサポートする仕事で、これは自宅にいてもできる。

 在宅勤務の最大の問題はセキュリティだ。しかし、営業の内勤業務や総務、経理の売掛金督促など、ホワイトカラーの半分くらいの仕事はそれほど高度なセキュリティが要求されないので、在宅勤務が可能である。

 ちなみに、私が経営しているBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング/企業の業務プロセスを外部の専門企業に委託すること)の受託企業では、子育てをしながら在宅勤務をしている社員のために、家事が一段落して子供が寝ている間だけスイッチをオンにしておくと仕事が入ってくる、というシステムを開発して導入した。

 入ってきた仕事は会社にいる時と同じようにこなし、然るべきタイミングで返さなければならないので、スイッチをオンにした時間によって給与が決まる(時間給はフルタイムで働いていた時と同じ)という仕組みである。これなら職場に復帰した時も、休む前と同じように違和感なく仕事ができる。

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン