• TOP
  • 国内
  • 絶滅危惧・日本の伝統野菜の保護に乗り出した社長の奮闘

国内

2017.01.28 07:00  女性セブン

絶滅危惧・日本の伝統野菜の保護に乗り出した社長の奮闘

 同じく古さでいえば、長崎県平戸市で栽培されてきた木引かぶは、室町時代から栽培されているそうだ。これは根茎の部分が赤く染まったところや、大胆な曲がり方になんともいえない愛嬌がある。

 こうした珍しい野菜、貴重な野菜を求めて、全国にアンテナを張り巡らしている高橋さんは、八百屋にして野菜の種子の研究家であり、保存の先頭に立っている。

◆文化も美術も、野菜も画一化してつまらない

 新潟で大衆食堂を営む家に生まれた高橋さんは、フレンチの有名店『レストランキハチ』で、調理人として2年間働き、続いて自然食品専門店に転職。店長から役員を務めるまでになるが、その間にすっかり野菜好きになってしまった。

「毎日、店に届く野菜の箱を開けるのが楽しみで、この野菜のおいしさをどうやってお客さんに伝えるか、そんなことばかり考えていました。その店に届けられる野菜は、四季の色や匂いがいっぱいで、それを見たり嗅いだりするだけで楽しかったんです。もちろん、味が濃くて、旨みがあり、野菜だけのスープもおいしいんです」

 そのときははっきり気づいていたわけではないが、その野菜が育った土地の風や水、育てた人の思い、日本の四季といった、野菜の背景にある風土すべてに惹かれていたのだと、のちに思うようになったという。

 こんな個性豊かな野菜に魅せられたのは、高橋さんだけではない。国際的な現代アートの展示で知られるワタリウム美術館は、高橋さんの扱う“古来種野菜”の販売を手がけたことがある。

「美術館で野菜を販売するなんて、後にも先にもここだけだと思うんですけど、文化も美術も、野菜も画一化したらつまらない、もっと多様化していいという思いがあったんでしょう。それになにより古来種野菜って、美術館に並べてもアートに引けを取らない自然の美を備えていると思います」

 古来種野菜というのは、高橋さんが付けた野菜の呼び名で、日本各地に昔から存在していた固定種や在来種と呼ばれる伝統的な野菜の総称だ。

※女性セブン2017年2月9日号

関連記事

トピックス