〈あの日、オレは初めて女のオッパイを揉んだ〉〈西野メグミのオッパイを揉んだのだ〉〈オレは、童貞を落とした日のことは忘れることがあっても、あの日のことは生涯忘れないだろう〉
メグミはタカシの隣家に住んでいた美少女で、暴走族のリーダーの彼女だった。だが20数年後の同窓会では誰もあの日のことを憶えておらず、本書ではタカシが幼馴染の胸を揉むに至った経緯を独白形式で遡る。
夏休みのその日、タカシは朝から揉める両親をよそに部活に出た。教師の傍ら作家を志す父はまたしても選考に落ち、ヤケ酒の上に接触事故を起こして謹慎中。同じく教師の母は、今日は姉が婚約者と帰郷するから早く帰ってこいと不機嫌に言う。今夜はサイン会があるのに、だ。
そんな時、タカシの視界に入ったのが映画研究部の〈野田〉たちだった。冴えないと思っていた連中は、最近何かの賞を取ったらしく新聞に載った。〈オレらって……考えてみると何も売りがないだがな〉〈下手したらオレたちより野田たちのほうがオッパイ揉みまくりの可能性、高いぞ〉
こうして今夜9時に校門集合と話は決まる。店を下見し、ついでにミツルの家で観ようとHなビデオを借りた4人だったが、不良の〈金田〉たちにビデオを奪われるわ、下着姿で徘徊する〈ケメ子〉にゲンナリするわ、散々な状態でその夜を迎えるのだった。