◆安倍総裁の直筆手紙

 園長室に入る前に籠池氏が記者に案内したのは、金の襖で囲まれ、金屏風も置かれた「玉座の間」。

「ここは尊い方をお迎えする場所です。あなたはきちんと取材してくれる人だと思ったのでお通ししました」

 玄関には皇太子と園児が一緒に収まる記念写真が飾られていたので、記者が「皇太子殿下もいらしたんですか?」と訊ねると、嬉しそうな表情で「それはまぁ、そう考えてもらっても」と曖昧な言い方をする。よく聞くと、皇太子と園児たちの写真の場所は幼稚園ではなく、皇太子が大阪を行啓した際に園児がエスコート役を務めた時のものらしい。

 そして園長室に促されると、籠池氏の隣に副園長を務める夫人も着席した。早速、記者が「国から払い下げを受けた小学校建設用地が安すぎると指摘されているが?」と訊くと、出てきたのが本稿冒頭の発言だった。

──財務省(近畿財務局)は「埋蔵廃棄物の撤去費用を控除した金額」とする一方で、「金額を非公開としたのは法人側の要請があった」とも説明していた(国有地の売却額は公開が原則)。

「(控除された額について)そんなのは知りませんでした。ただね、私たちは清廉潔白なので(売却経緯は)公開してくれていいと近畿財務局にはお答えしています」

 説明や反論に具体性が見えない。ところが、安倍首相との関係について話題を変えると、俄然、籠池氏の口調は滑らかさを増す。

──当初は、小学校の名称は「安倍晋三記念小学校」として寄付を募っていた。

「学校名に安倍さんの名前を冠することは、総理(自民党総裁)になる前に、昭恵夫人を通じて内諾をいただいていたんです。ただ、天下の総理大臣となったらそうもいかないでしょ。ですから(安倍首相サイドが)ご辞退されたということですね」

──でも昭恵夫人は「名誉校長」になりました。首相夫人が一法人の役職に就くのは異例であり、何か特別な関係があるのでは。

「昭恵夫人には3~4回ほどこの幼稚園に来ていただきました。(学園の)古き日本の素晴らしい道徳性がある子供たちをご覧になって、教育方針に感動されたと思うんです。ファーストレディと言われるだけの器がある方だと思いますよ」

──安倍首相も来園したことがあるのですか?

「(2度目の)総理就任前に講演をお願いしていました。しかしそれが自民党総裁選のタイミングと重なってしまった。その時にはお詫びの電話をいただき、その後には直筆のご丁寧なお手紙までいただきました」

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン